断トツ数値「6.8」の阪神21歳 巨人ドラ1&2位も高指標…2軍で爪を研ぐ好素材

阪神・遠藤成(左)と巨人・浅野翔吾【写真:荒川祐史、小林靖】
阪神・遠藤成(左)と巨人・浅野翔吾【写真:荒川祐史、小林靖】

阪神4年目の遠藤成は二塁手として2軍でUZR6.8をマーク

 まもなく8月を迎え、今年のプロ野球も残り50試合あまり。優勝、上位進出へ、熱い戦いが繰り広げられる。各球団とも、待たれるのが若手の台頭だろう。ここでは守備全般での貢献を示すUZR(Ultimate Zone Rating)の指標を用いて、2軍で突出した数値をマークしている若手選手を紹介する。(記録は30日、数値は29日終了時点)

 検証には、セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを参照した。セ・リーグの首位に立つ阪神では、4年目21歳の遠藤成内野手が二塁で6.8という高数値を記録。2位の西武・児玉亮涼内野手は3.7で大差をつけている。

 東海大相模高からドラフト4位で入団して4年目。まだ1軍経験はないが、今季は2軍で73試合に出場して打率.290(162打数47安打)をマーク。2軍の二塁でのUZRは1年目から-2.2、-5.2、1.9と推移して今季は6.8と大きく改善された。守備範囲を示すRngRも7.3。2位の広島・羽月隆太郎は2.9だ。

 阪神の二塁は、今季遊撃からコンバートされた中野拓夢内野手が全試合に出場。チームに欠かせない存在になっている。ただ、UZRを見れば-2.7で、規定守備イニングに到達した二塁手の中では6人中、5番目だ。今後、何らかの形で遠藤にチャンスが巡ってくることもあるかもしれない。

 巨人のドラフト1位・浅野翔吾外野手はセンターのUZRが4.7。全体5位につけている。高松商から入団した18歳はここまで2軍で58試合に出場、打率.237、5本塁打をマークしている。7月に1軍も経験し、3打席3三振ながら貴重な経験も積んだ。

 ドラフト2位の萩尾匡也外野手も左翼と右翼合わせてUZR5.4を記録。打撃でも72試合で打率.311、4本塁打をマークしている。5月末に1軍昇格して7打数1安打で抹消となったが、今後1軍昇格の可能性は十分にあるだろう。

 2軍で爪を研ぐこうした選手たちに今後、1軍のチャンスは訪れるか。注目される。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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