「和真、今日いた?」とジョークも… 巨人原監督が通算1000敗目後に語ったこと

巨人・原辰徳監督【写真:矢口亨】
巨人・原辰徳監督【写真:矢口亨】

監督17年目、史上9位1266勝の原監督は史上11人目の1000敗を喫した

■ヤクルト 1ー0 巨人(1日・東京ドーム)

 巨人の原辰徳監督は1日、本拠地・東京ドームでヤクルトに0-1で惜敗し、史上11人目の監督通算1000敗目(1266勝=史上9位)を喫した。先発した菅野智之投手が8回1失点の快投を演じるも打線の援護がなく、ヤクルト先発の3年目左腕・山野太一投手にプロ初勝利を献上した。

 両チーム無得点で迎えた6回の攻撃では、先頭の菅野が四球を選び出塁したが、続く吉川尚輝内野手は送りバントを2度失敗した(空振りとファウル)後、強攻に切り替えて遊ゴロ併殺打。ベンチの原監督は思わず顔をしかめたが、試合後は「まあまあ、あれもそうだけれど、9イニングの中でなんとかしないといけないですね」と、特定の選手を批判することはなかった。

 この回はそこから坂本勇人内野手と梶谷隆幸外野手が連打し、2死一、二塁とチャンスをつくり直したが、頼みの4番・岡本和真内野手はカウント2-1から山野のカットボールをとらえ切れず右邪飛。4打数ノーヒットに終わった岡本和の打撃内容について論評を求められた原監督は「和真? 今日、いた?」とジョークに紛らわせた。

 結局、山野に対して7回まで4安打に抑えられ、三塁を踏めずじまい。2020年ドラフト2位で東北福祉大からヤクルト入りした山野は、怪我などで2年目の昨年1軍登板なしに終わり、オフには育成選手に。7月14日に支配下復帰を果たしたばかりで、2021年4月1日DeNA戦以来プロ2試合目の登板で、初白星を手にした。

 原監督は「僕は評論家ではないから相手のことは言えないけどね……。なんと言ったらいいんだろうね?」と考えを巡らせた上で、「(巨人の打者は)みんな初打席(初対戦)でしょ? そこを向こうは必死で投げたわけだし、われわれもそれをなんとかしなきゃいけないところで、今日はできなかったというところではないですかね」と淡々と総括した。

 プロの世界でデータのない初対戦の投手を打つのは容易ではない。むしろ2度目の対戦までに、有効な対策を練ることができるかどうかにチーム力の差が表れるのではないだろうか。監督通算17年目。リーグ優勝9度・日本一3度に加え、日本代表監督として第2回WBC優勝に導いた経験まで持つ原監督は、ことさら一喜一憂することはない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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