原監督も驚いた「どういう練習をしていたのかな」 坂本勇人、猛打を生んだ“2軍調整”

ヤクルト戦で本塁打を放った巨人・坂本勇人【写真:矢口亨】
ヤクルト戦で本塁打を放った巨人・坂本勇人【写真:矢口亨】

右太もも裏痛め離脱→1か月以上の調整経て7月28日に1軍復帰

■巨人 9ー2 ヤクルト(2日・東京ドーム)

 巨人の坂本勇人内野手は2日、本拠地・東京ドームで行われたヤクルト戦で、初回に11号ソロ、2回に12号2ランと2打席連続本塁打を放ち、3打数3安打3打点1四球。怪我から復帰した7月28日の中日戦(東京ドーム)以降の5試合で、打率.529(17打数9安打)の猛威を振るっている。

 初回1死走者なしで迎えた第1打席は、ヤクルト先発の左腕・高橋奎二投手に対し、初球のチェンジアップに崩されることなく完璧にとらえ、左中間へ11号ソロ。2回2死一塁での第2打席は一転、真ん中低めの148キロ速球を左翼席へ放り込む12号2ラン。前キャプテンが打てば現キャプテンも打つ、というわけで、4番の岡本和真内野手も23号2ラン、24号ソロの2発で続き、チームは9-2で大勝を収めた。

 原辰徳監督は「非常にいいコンディションで来てくれた。あれだけ下半身がしっかりした状態でスイングできている。(2軍調整中に)どういう練習をしていたのかなあ、と興味があります」と目を丸くした。それほど、怪我から復帰後の打撃は素晴らしい。

 坂本はプロ17年目の今季、開幕から極度の不振に陥り、打率.186で4月を終えた。5月には月間打率.287と復調し、6月に入ると同.338と波に乗ったが、好事魔多し。同23日の広島戦(マツダ)で右太もも裏を痛めて翌日抹消され、復帰に1か月以上を要したのだった。それだけに、原監督は「そこには何か、我々(監督・コーチ陣)も参考にしなきゃいけないものがあるのではないか」と興味津々。今の坂本の姿には、全選手に共通するトレーニング方法、怪我からのリハビリ方法のヒントが隠されているのではないか、というのだ。

試合後に笑顔を見せた巨人・岡本和真(左)と坂本勇人【写真:矢口亨】
試合後に笑顔を見せた巨人・岡本和真(左)と坂本勇人【写真:矢口亨】

34歳でインスタ開設「いい歳こいて頑張ります」

 坂本自身は「トレーナーの方々が患部に負担のかかりにくいメニューを考えてくれた」と感謝を口にする。一方で「怪我をするまで、打撃の感覚は悪くなかったので、その感覚が変わらないようにと考えていました。(リハビリ中も)マシン打撃などはできていたので、試合のイメージ、感覚で打つようにしていました」と振り返る。

 そうして迎えた復帰初戦の中日戦で、いきなり第1打席から右翼フェンス直撃の二塁打、左翼線2点二塁打、中前適時打とヒットを連ね、4打数3安打3打点。「2軍の試合ではあまりいい感じでなかったので、不安は不安でしたが、初戦で3本出て流れが良くなったのではないですかね」と自ら好調の要因を分析している。

 その復帰初戦の試合後、34歳にして初めて写真共有アプリ「インスタグラム」の公式アカウントを開設した。「怪我をしている時に(巨人OBの)緒方耕一さんから勧められました。シゲちゃん(重信慎之介外野手)が詳しいから聞いたら、やりましょうって……」と照れ笑いしつつ、「いい歳こいて頑張ります。気になるならフォローしてください」と前向きだ。そんな言葉の端々から、若手との良好なコミュニケーションもうかがえた。

 昨季まで8年連続で務めた主将の座を岡本和に譲り、「和真らしくやっているから、僕から言うことはない」と目を細めるが、チームの精神的支柱であることに変わりはない。あとは残りのシーズンで、いかにコンディションを維持し、離脱を回避するか。坂本不在中、ドラフト4位ルーキーの門脇誠内野手が代役の遊撃手として活躍しただけに、時おり休養を挟みながらの起用が考えられてもいいのかもしれない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

JERAセ・リーグ

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY