4連敗も「本当にもう1歩よ」 原監督が見る“現在地” 「こっちのパターンで戦えている」

巨人・原辰徳監督【写真:矢口亨】
巨人・原辰徳監督【写真:矢口亨】

ベテラン長野が値千金の一時勝ち越しソロを放った直後の悲劇

■DeNA 4ー2 巨人(11日・東京ドーム)

 巨人は11日、本拠地・東京ドームで行われたDeNA戦で2-4で逆転負けを喫した。8日からの阪神3連戦でスイープされ、これで4連敗。3位DeNAとの“Aクラス攻防3連戦”の初戦を落とし、その差は3ゲームに広がった。それでも、原辰徳監督は決して悲観していない。

 原監督は試合後「このところ非常に集中力のある、良いゲームをしているのですが、結果的になかなか勝ちにつながらない。あと1本というところがここ数試合(続いている)」とチームの戦いぶりを評価した上で、「懸命に戦っているし、こっちのパターンで戦えている。あと1本、あと1点というところでしょうね」と力を込めた。

 8回終了時点では、巨人にとって最高の展開だった。18歳のドラフト1位ルーキー・浅野翔吾外野手が「8番・右翼」でプロ初スタメンに名を連ね、5回の第2打席で左前へプロ初安打をマーク。先発した22歳の左腕・横川凱投手は、自己最長の8回まで、自己最多の114球で3安打1失点に抑えた。そして1-1の同点で迎えた8回、38歳の長野久義外野手が左翼席へ値千金の勝ち越し4号ソロ。新人、若手、ベテランのヒーロー3人がそろい踏みするはずだった。

 ところが、これまで奮闘してきた守護神・中川皓太投手がつかまる。勝利目前の9回1死一塁で相手の4番・牧秀悟内野手に逆転19号2ランを被弾。さらに急きょリリーフした3番手の菊地大稀投手も、大田泰示外野手に3号ソロを浴び、点差を広げられた。

巨人戦の9回に逆転弾を放ったDeNA・牧秀悟(右)【写真:荒川祐史】
巨人戦の9回に逆転弾を放ったDeNA・牧秀悟(右)【写真:荒川祐史】

原監督「ホームランは打ちたいし、打たれたくない、そこがプロ」

 4連敗といっても、勝ち目のなかった大敗は1つもない。8日の阪神戦は6-7の最少得点差。翌9日の同カードは2-2で延長にもつれ込み、11回に一挙3点を奪われ力尽きた。9日は戸郷翔征投手が6回まで無失点に抑えていたが、1点リードの7回に、守備の乱れで同点に追いつかれた上、近本光司外野手に痛恨の決勝2ランを浴びた。原監督は「本当にもう1歩よ。今はやっぱり、チーム全体で踏ん張り、なんとかみんなで押し返さないと」と士気を鼓舞するかのように言った。

 この4試合では、本塁打で手痛い失点を喫するケースが目立った。8日の阪神戦では1点ビハインドの8回にルーキーの森下翔太外野手に決定的な2ラン、9日には1点リードの8回に中野拓夢内野手に同点ソロを浴び、そして前日は近本に決勝2ラン、この日はDeNA・牧に逆転2ランを浴びた。原監督は「ホームランは打ちたいし、打たれたくない。そこがプロですから。打ち返せるようにしないといけませんね」と前だけを見た。

 好材料はいくらでもある。だが、歯車がかみ合わず黒星が重なることもある。慌てず騒がず、泰然自若と構える指揮官が何より心強い。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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