「思うように投げられる」活路開いた“憧れ”からの助言 4年目左腕が得た復調への手応え

西武・浜屋将太【写真:荒川祐史】
西武・浜屋将太【写真:荒川祐史】

2022年1軍登板なしから復活を目指す西武・浜屋

 2019年ドラフト2位で、社会人の三菱日立パワーシステムズ(現三菱重工East)から入団した西武の浜屋将太投手。ルーキーイヤーは12試合に登板し3勝を挙げたが、2021年は8試合に登板し1勝6敗、2022年は1軍登板なしに終わった。復活を目指す4年目左腕が、現状を語った。

 1軍登板なしに終わった昨シーズンを「自分の思うピッチングができず、悪くなっていく一方でした。力不足です」と振り返る。言い訳にしたくないというが、2021年に受けた左有痛性外脛骨障害の手術の影響で出遅れた。

「もともと左足首の外脛骨が人より出ていて、投げるときに当たってしまい、そこで炎症が起きて痛みが取れませんでした。なので、出っ張っている骨を取る手術をしました。手術は初めてだったので、最初は『投げられるようになるのかな』という不安もありました。自主トレも全くできず、キャンプも足に影響がないトレーニングしかできなくて、思うように動けませんでした。筋肉が落ちて体重も減ってしまいました」

 悪い時は投げる角度がばらばらになり、極端に球が外れてしまった。試合の中で修正することができる日もあったが、そのままずるずるといってしまう日も多かった。だが、昨年秋に内海哲也ファーム投手コーチから受けた助言がきっかけで、手応えをつかんだ。

「内海さんに『水が飛ばないように、水たまりに足を着くイメージで投げてみたら』と教えていただいて、それをやったら良くなりました。早めに投げにいこうとして体が開いてしまい、腕で操作してしまうところがあるのですが、足をゆっくり着こうと意識することで、全部のためが作れるようになり、自分が思うようなリリースポイントで投げられるようになりました」

再度スライダーを磨いて「いろんな球種を使って打ち取りたい」

 同じ左腕の内海コーチは現役時代から憧れの存在で、なかなか話しかけることができなかった。「もっと早く聞けばよかった」と苦笑いを浮かべたが、減ってしまった体重も戻り、万全の状態でシーズンに入ることができた。これまで2軍では12日現在、15試合に登板、5勝6敗、防御率4.97という成績だが、「三振を取るピッチャーじゃないので、いろんな球種を使って打ち取りたい」と課題に向き合っている。

「フォームを変えてから、思い通りのスライダーが投げられなくなって、フォークやチェンジアップに頼っていたのですが、スライダーがないときついなと感じています。もう1度スライダーを投げられるようにしたいと思っています。最近は真っ直ぐの質が良くなってきたので、変化球をどう生かせるか考えて、変化球の切れを求めてやっています。四死球の多さは目立つので、そこを抑えて、防御率を意識して最少失点で投げたいと思っています」

 昨シーズンは左腕の隅田知一郎投手、佐藤隼輔投手が入団し、1年目から1軍で登板を重ねた。「左が2人も入ってきて、実力もだいぶ差が開いている。焦りはありますが、自分は自分で頑張りたいと思っています」と前を向く。自分と向き合い、日々汗を流す24歳が再び1軍のマウンドに立つ日を、楽しみに待ちたい。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY