「大学で155キロ投げたい」 聖地で示した規格外パワー…北の二刀流が見据える“高み”

北海は神村学園に敗れた
北海は神村学園に敗れた

北海・熊谷は今大会11打数6安打の打率.545、本塁打1の成績

 第105回全国高等学校野球選手権大会は17日、阪神甲子園球場で大会10日目の4試合が行われ、第4試合は、準優勝した2016年夏以来のベスト8進出を狙った北海(南北海道)が、神村学園(鹿児島)に4-10で敗れた。平川敦監督は「競った展開でないと勝てないと思っていたのに」と、初回の4失点を悔やんだ。

 プロの注目の“二刀流”・熊谷陽輝投手(3年)は、「3番・一塁」でスタメン出場。4点を追う1回に右越え適時二塁打で1点を返すと、5回には「甘く入ってきた真っ直ぐを芯に当てられた」という豪快な大会18号、左中間2ラン本塁打で追撃した。投げては、5回からリリーフとしてマウンドに立ち、自己最速144キロに迫る力投で4回2/3を投げて3失点(自責2)。「悔いはありません。完全に実力の差だと思います」と涙はなかった。

 印象的だったのは、本塁打を放ったときの“バットの握り方”だ。「しっかりバットを振る意識」を養うために、今春から短かく持っているという。バットを短く持つとミート力が上がる一方で、遠心力が小さくなり打球が遠くへ飛びにくくなるが、熊谷は少し長めの86センチのバットを使用し、持ち前のパワーでカバー。「(春以前よりも)しっかりバットを振れるようになりました」と、高校通算33本目となる聖地弾に胸を張った。

 身長183センチ、体重94キロの体躯から放たれる打球はどれも鋭く、今大会は11打数6安打の打率.545、1本塁打、4打点と爪痕を残した。4年後のプロ入りを目標に「今後も(投打の)どっちもで勝負していきたいです」と明かした熊谷。「もっとホームランを打って、もっと怖がられる打者になりたいと思っています。ピッチャーとしては大学生のうちに155キロを投げられるようになりたいです」と、高みを見据えた。

(喜岡桜 / Sakura Kioka)

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