ハマった岡田監督の目玉改革 18年ぶり“アレ”へ…劇的に改善されたチームの弱点
失策数はリーグワーストも指標が大きく改善…一塁では大山が断トツ
2023年度のペナントレースも残り1か月前後。セ・リーグでは阪神が優勝へのマジックナンバーを15にして、2005年以来18年ぶりの“アレ”へ突き進んでいる。岡田彰布監督が15年ぶりに復帰した今季は大胆なコンバートを敢行。失策数はリーグワーストも、守備の指標では一塁の大山悠輔内野手らが高い評価を得ている。(記録は9月3日現在)。
阪神はここまで71失策。リーグワーストの数字となっているが、その内容は昨年までとは大きく異なる。セイバーメトリクスで守備全般の貢献を示す「UZR(ultimate zone rating)」を見ると違いは鮮明だ。
分析を行う株式会社DELTAのデータによると、阪神は5.0でリーグ3位の数値を記録している。昨年は-22.8で最下位だったから、大きく改善されたことになる。
中野拓夢内野手を遊撃から二塁へ。さらに大山を一塁に、佐藤輝明内野手を三塁に固定した指揮官の“目玉改革”は吉と出たようだ。大山は昨季、主に一塁と左翼を守ったが、今季は全試合に一塁で出場。UZRは11.0で断トツの数値となっている。
二塁に回った中野のUZRはリーグ3位の2.7。昨年の阪神の二塁手は-13.0だったから、こちらも大きく改善された。また、今季は主に木浪聖也内野手が務める遊撃手は昨年の1.2から1.9、佐藤輝が守る三塁も昨年の-5.6から-3.9に。内野の全ポジションで数値が上昇している。
外野では、センターを守る近本光司外野手が8.4でトップに立つ。投手力には定評があり、チーム防御率はリーグで唯一2点台の2.73。総失点も366で最少だ。昨年までの大きな課題を解消した岡田監督。18年ぶりの歓喜は、目の前に迫っている。
(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。