利き腕でないのに遠投50m 目標は漫画の主人公…元プロ右腕が本気になったサウスポー転向|球界群像 上原晃#3
東海学園大投手コーチを務める、元中日の上原晃氏【写真:本人提供】上原晃氏が憧れた「男どアホウ甲子園」の主人公・藤村甲子園
仰天の過去があった。整体師で東海学園大投手コーチの上原晃氏はかつて中日で活躍した伝説の右腕だが、その原点のひとつに野球漫画の影響があったという。「漫画の主人公みたいになりたいと思いましたからね。僕は漫画の世界から野球に入っていった感じだったんですよ」。宜野湾市立普天間中学時代には「男どアホウ甲子園」(原作・佐々木守氏、漫画・水島新司氏)の主人公で超剛球投手の藤村甲子園に憧れ、左投げに真剣に挑戦したという。
中学では2年の途中からエースになった上原氏だが、沖縄中部地区の大会で優勝には縁がなかった。「運も悪かったというか、優勝したチームと1回戦で当たって負けたりして……」。そんな中学時代に「藤村甲子園みたいに左利きになりたい」と大真面目に考えた。漫画の世界への本気の挑戦だった。「勉強する時も左で書いて、ご飯を食べる時も左という感じでね。その結果、左で50メートルくらいは投げられるようになったんですよ」。
だが、ここで“待った”がかかった。「チームのみんなに止められたんです。僕はもうちょっとやらせてほしいと言ったんですけどね。大会前だからやめてくれって言われて……」。上原氏はスピードボールが魅力の右腕として、地区内では評判の中学生でもあった。それなのに無理矢理、未知数の左投手に転向する必要はないのではないか――。そんな周囲の声にも押し切られる形で、断念したそうだ。
沖縄水産進学への“決め手”になった一杯のカツ丼
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
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