巨人打線が“初もの”に沈黙…原監督歯ぎしり「悲しいね」 CS進出へ求められる結果

巨人・原辰徳監督【写真:矢口亨】
巨人・原辰徳監督【写真:矢口亨】

ホープ秋広は3打数無安打で7回の守備から交代

■巨人 0ー0 中日(8日・東京ドーム)

 巨人は8日、本拠地・東京ドームで行われた中日戦を延長12回の末に0-0で引き分けた。打線は相手のドラフト1位ルーキーで初対戦の仲地礼亜投手に7回まで3安打無得点に抑えられ、結局スコアレスドローに終わった。原辰徳監督は「狙い球を絞るとか、(打つ)方向を決めるとか、もう少し勝負していってほしい」と歯がゆさを露わにした。

“初もの”を捉えきれなかった。4回には坂本勇人内野手の左前打と、大城卓三捕手の右翼線二塁打で2死二、三塁の好機をつくり、吉川尚輝内野手が申告敬遠で歩いて満塁と詰め寄ったが、打順が投手の戸郷翔征投手に回り、三ゴロに倒れて最大のチャンスを逃した。

 8月以降やや打撃の調子を落としている20歳のホープ・秋広優人内野手は、「6番・左翼」で3試合ぶりにスタメンに名を連ねたが、3打数無安打。2回の第1打席で二ゴロに打ち取られ、4回1死一塁の第2打席では、カウント2-2から外角いっぱいの149キロ速球に手が出ず見送り三振。6回1死一塁の第3打席で、ツーシーム4球でカウント1-2と追い込まれ、5球目の高めの150キロを振らされて2打席連続三振に倒れると、7回の守備から早々とベンチに下げられた。

 初対戦の投手に苦労するのはよくあることだが、この日の仲地は99球中、ストレートが39球、ツーシームが28球、スライダーが22球で、この3つの球種で全体の9割を占めていた。あとはカーブとカットボールが4球ずつ、チェンジアップが2球のみ。原監督は「(仲地に)いいピッチングをされたと思いますよ」とした上で、「なんかこう、ぶわーんとした形で打席に向かっている選手がいるというのは悲しいね。勝負をかけないと。たとえば変化球を狙うのか、引っ張るのか、あるいは流すのか。バッターはストライクを3球セレクトできるわけだしね」と野手陣に工夫を求めた。

CS出場圏争う3位DeNAとの差は2.5ゲームに拡大

 仲地が7回無失点でマウンドを降りた後は、何度も好機をつくったが、結局あと一歩得点に届かない。8回には中日2番手の左腕・斎藤綱記投手から、先頭の門脇誠内野手が左前打を放ち出塁。しかし続く丸佳浩外野手はカウント2-2から、ランエンドヒットがかかっていた5球目の外角スライダーを空振りし、“三振ゲッツー”となった。

 延長10回2死一、二塁では、頼みの4番・岡本和真内野手が中日6番手のマイケル・フェリス投手の前に三ゴロ。11回にも7番の清水達也投手を攻め立てたが、1死一、二塁で吉川が二ゴロ。なおも2死二、三塁とするも、代打の中山礼都内野手が空振り三振に倒れ、サヨナラ勝ちのチャンスをものにできず。味方の先発・戸郷翔征投手の10回140球3安打無失点の熱投に応えることができなかった。

 原監督は「なんとか1点取りたいところでしたが、なかなか重かったですね。ここ1本だよね」と唇をかんだ。この日、クライマックスシリーズ出場圏を争う3位DeNAが、本拠地・横浜スタジアムで延長10回の末にヤクルトを破り、4位の巨人との差は2.5ゲームに開いた。残り19試合。もはや相手が初対戦だろうが何だろうが言い訳はできず、結果がだけが求められている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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