取材に遅れてきた攝津氏…求められた異例の助言 入れ違いも関係なし“背番号50の絆”

ソフトバンク・板東湧梧(左)と球団OBの攝津正氏【写真:竹村岳】
ソフトバンク・板東湧梧(左)と球団OBの攝津正氏【写真:竹村岳】

2018年に現役を引退、久々のマウンドに「懐かしい感じがしました」

■楽天 8ー6 ソフトバンク(8日・PayPayドーム)

 新旧の背番号「50」が揃った。ソフトバンクは8日、PayPayドームで行われた楽天戦に臨み、6-8で敗れた。試合前のセレモニアルピッチに登場したのは球団OBの攝津正氏。久しぶりのドームのマウンドを噛み締め、ノーバウンド投球を披露した。

 2018年を最後に、現役を引退した。捕手役を務めたのは、引退した翌年の2019年に入団し、背番号50番を継承した板東湧梧投手だった。JR東日本東北出身の攝津氏と、JR東日本出身の板東。共通点のある2人が共演した。攝津氏が投じたボールは、板東の青色のグラブに収まる。「懐かしい感じがしました。光栄に思います」と貴重な瞬間を振り返った。

 終わった後、囲み取材に備えていた報道陣だが、少ししても攝津氏が姿を見せない。そこに球団広報が現れ、板東が攝津氏に助言を求めて2人で会話をしていることが伝えられた。5分ほどして会見場に来ると、取材がスタート。「グラウンドで会えば話をしますし、会社の後輩でもあるので。(捕手役をしてくれて)嬉しいですね」と声を弾ませる。

板東から求められた助言は「修正するためにどんなことをやっていましたか」

 助言の内容については「色々とフォームのバランスとか『修正するためにどんなことをやっていましたか』とか。そんな感じです」と明かす。球団OBでグラウンドに来る機会も限られるだけに「なかなかじっくり話す機会もないので。グラウンドで会ったらなんでも聞いてっていう話はしましたけど」と、後輩に手を差し伸べていたそうだ。

 板東は今季27試合に登板して5勝3敗、防御率3.06の成績を残し、終盤戦もローテーションを守っている。その活躍は攝津氏も見守っており「本人も言っていますけど、コントロールじゃないですか。球も150キロを超える。スピードもあってコントロールもいい投手はなかなか少ないと思うので。十分、ローテーションで2桁勝てると、ずっと思っています」と板東の持ち味を踏まえ、太鼓判を押していた。

 攝津氏の持ち味といえばシンカーと、正確なコントロールだった。板東と自分を重ねて「同じようなタイプですしね。50番といえば板東と言われるように頑張ってほしいです」とエールを送った。2012年には17勝を挙げるなど、沢村賞にも輝いた偉大な右腕は、後輩のさらなる活躍を願っていた。

【実際の動画】捕手の板東にノーバウンド投球 マウンドを嚙み締めた摂津氏の始球式

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