1軍登板なく退団、移籍による飛躍も 8年前に決勝で涙…“プロの卵”の現在地

巨人・オコエ瑠偉、日本ハム・清宮幸太郎、ロッテ・平沢大河【写真:小林靖】
巨人・オコエ瑠偉、日本ハム・清宮幸太郎、ロッテ・平沢大河【写真:小林靖】

「U-18 W杯」決勝戦に進出した日本代表メンバー…プロ入りは14人

 高校日本代表「侍ジャパン」は、現在台湾(台北)で行われている「第31回 WBSC U-18 ベースボールワールドカップ」で決勝進出を決めた。同大会で決勝に進出するのは、2015年の第27回大会以来だが、では、その8年前は一体どんなメンバーで戦っていたのか、そして、彼らの現在地は……。改めて振り返ってみたい(記録は9日現在)。

 8年前の決勝戦・アメリカ戦は、下記の先発ラインナップだった。

(左)杉崎成輝(東海大相模)
(二)津田翔希(浦和学院)
(右)勝俣翔貴(東海大菅生)
(指)清宮幸太郎(早稲田実)
(遊)平沢大河(仙台育英)
(中)オコエ瑠偉(関東一)
(一)伊藤寛士(中京大中京)
(三)篠原涼(敦賀気比)
(捕)郡司裕也(仙台育英)
(投)佐藤世那(仙台育英)

 2015年大会の代表20人中、のちにプロ入りした選手は14人いるが、そのうち決勝のスタメンを飾っていたのは勝俣、清宮、平沢、オコエ、郡司、佐藤の6人。決勝までの8試合を全勝で勝ち進んできたこの年の「侍」だったが、アメリカに1-2の接戦で敗れて惜しくも優勝を逃している。

 同年夏の甲子園準Vの仙台育英からは3人が決勝スタメンを飾り、3人ともプロの道に進んだ。佐藤は同年のドラフト6位でオリックスに入団し、1軍登板のないまま2018年限りで退団。世代屈指の遊撃手として高評価を得ていた平沢も、同年ドラフト1位でロッテ入りしたが、2018年に112試合に出場して以降は1軍での出番が減少している。佐藤とバッテリーを組んだ郡司は、慶大に進んで東京六大学の3冠王に輝き、2019年ドラフト4位で中日へ。今年6月に日本ハムに移籍して以降、プロ初本塁打を放つなど飛躍を遂げている。

 強打・好守で甲子園を沸かせたオコエは、ドラフト1位で楽天に入団したものの1軍でのチャンスをつかみ切れず、昨オフの現役ドラフトで巨人へ移籍。W杯で打率.545と活躍した勝俣は、国際武道大を経て2019年ドラフト5位でオリックス入り。2021年オフに育成契約で巨人に移籍するも1年で退団し、現在は社会人の日本製鉄かずさマジックでプレーしている。

小笠原と森下は先発陣の主力として活躍

 代表唯一の1年生で4番の重責を担ったのが清宮だ。高校通算111本塁打を放ち、2年後のドラフト1位で日本ハムへ。プロ入り後はなかなか殻を破れていないが、新庄剛志監督のもとで昨季は18本塁打をマーク。スラッガーとしての資質が本格開花するだろうか。

 6人の他にプロに進んだのは、東海大相模の甲子園優勝投手・小笠原慎之介(中日)のほか、成田翔(秋田商-ロッテ-ヤクルト)、高橋樹也(花巻東-広島、現楽天打撃投手)、高橋純平(県岐阜商-ソフトバンク)、堀内謙伍(静岡-楽天)、森下暢仁(大分商-明大-広島)、宇草孔基(常総学院-法大-広島)、豊田寛(東海大相模-国際武道大-日立製作所-阪神)。出世頭は中日・小笠原と広島・森下だろう。小笠原は昨季に自身初の2桁10勝をマークし、今年は2度目の開幕投手を務めた。森下はプロ1年目に10勝を挙げて新人王受賞。今季も8勝と好調カープの先発陣を支えている。

 いずれにせよ、今年のW杯で決勝に進んだ侍たちからも、多くのプロ野球選手を輩出するのは間違いない。決勝での活躍はもちろん、今後の野球人生の歩みにも注目していきたい。

(Full-Count編集部)

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