8月以降は防御率「0.00」 山本由伸の“最強”示す異質な数字…戦意失う「0.13」

オリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】
オリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】

9イニング当たりの被本塁打率を示す「HR/9」は驚異の「0.13」

 日本球界で“最強”を誇る右腕の進化が止まらない。オリックス・山本由伸投手は9日、ZOZOマリンで行われたロッテ戦で自身2度目のノーヒットノーランを達成した。NPB史上88人目、通算100度目の快挙は、戦後初の2年連続達成という歴史的偉業も加わり、大きな注目を集めた。前人未到の3年連続投手4冠(最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率)も射程圏だが、指標の面からも傑出した数字が浮かび上がる。

 セイバーメトリクスを用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、9イニング当たりの被本塁打率を示す「HR/9」が、昨季の「0.28」から「0.13」と驚くべき向上を見せている。90イニングを投げて、ようやく本塁打が1本、という凄まじい数字となっている。実際、今季は143イニングを投げて、被本塁打はわずかに「2」だ。「HR/9」のリーグ平均は「0.71」で、山本の数字の異質さが浮き彫りになる。

 直球の平均速度も2022年の「151.9キロ」から、「152.9キロ」に上昇している。3月のWBCもあり、例年とは違うオフの調整を強いられながらも、シーズンを通して高いパフォーマンスを披露しながら進化をしている。

 直近で失点したのは、7月25日のソフトバンク戦(京セラ)の8回に柳田悠岐外野手に打たれた2点適時打で、以降は42イニング連続無失点を継続中。後半戦に限ると、49回2/3を投げて自責点は2、防御率は驚異の0.36、8月~9月に限ると防御率は「0.00」と、完璧な数字を残している。

 ノーヒットノーランも多くの米メディアに報じられ、メジャーリーグの編成からも注目を浴びている日本の至宝。まずは、エースとして目前に迫ったリーグ3連覇のために腕を振る。その先にどんな数字が待っているのか、終盤戦の投球からも目が離せない。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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