トラウト放出は「難しい」 トレード容認報道に番記者の見解「彼は直訴しない」

エンゼルスのマイク・トラウト【写真:Getty Images】
エンゼルスのマイク・トラウト【写真:Getty Images】

MLB公式サイトのボリンジャー記者「性格を考えるとトレードは直訴しないだろう」

 エンゼルスのマイク・トラウト外野手のトレード移籍は果たして実現するのか。USAトゥデイ紙はトラウトが退団を希望すれば、球団はトレード放出を容認する姿勢だと伝えた。2019年に契約延長し、2030年まで12年総額4億2650万ドル(当時約473億円)の大型契約を結んでいる32歳のトレード報道。MLB公式サイトのエンゼルス番、レット・ボリンジャー記者に見解を聞いた。

 2014年以来9年ぶりのポストシーズン進出は絶望的。若手有望株の見返りが見込めるトラウトのトレード放出はチーム再建へ理にかなっているように見えるが、やはり一筋縄ではいかない。ボリンジャー記者は首を傾げる。

「まだ想像できないことだ。もしトレードを直訴したとすれば、ショッキングで驚くべきこと。個人的には少し大きくなり過ぎたと感じている。トラウトの性格を考えると、トレードは直訴しないだろうね」

 2014、2016、2019年と3度のMVPに輝いた主砲も最近は故障続き。今年は7月に左手首骨折で離脱し、82試合出場で打率.263、18本塁打、44打点にとどまっている。

「大型契約を結んでいるけど、ここ数年は健康ではないからね。(トレードの)見返りも少ないだろうからエンゼルスにとっては難しいことだ。可能性があるかと聞かれたら、あるかもしれないと答える。だけど、ショウヘイがチームを去って、トラウトが『エンゼルスは戦えない』と判断しない限り、その可能性はない」

「ショウヘイを残留させ、トラウトを満足させたいと思っている」

 全球団へのトレード拒否権を持っているが、今後については球団と話し合う意向を持っている。「トラウトにトレードの可能性というニュースが出ること自体がビッグニュースだけど、実際に起きたらとても驚くだろうね」とボリンジャー記者は見通した。

 トラウトとの残り契約は、2030年まで7年間で2億4815万ドル(約364億円)。仮に他球団へ出せば、資金面では余裕ができる。一部でメジャー史上最高額、6億ドル(約880億円)とも言われる大谷翔平投手の“軍資金”につなげるのか。そもそも、トラウト放出案は、大谷残留へ向けた動きの1つなのか。

「アーティ(モレノオーナー)は全力でショウヘイの残留に尽くすだろう。もし、ショウヘイと契約すれば総年俸は増えるから、贅沢税は課税ラインを超えるだろうね。だとしても、ショウヘイを残留させるために、トラウトをトレードするようなことはないだろうね。(モレノオーナーは)ショウヘイを残留させ、トラウトを満足させたいと思っている。2人を残留させる道筋はあると思うけど、多額の資金が必要だ。今シーズンが終わってもレンドンとはまだ3年の契約が残っている。(エンゼルスにとっては)難しいよね」

 今オフに“トラウタニ”W流出になってしまうのか。いずれにしてもエンゼルスに抜本的な改革が必要であることは間違いない。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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