阪神に「巨人のやりたい野球をやられた」 G党が感じる寂しさ「不動の強さをもう一度」

祈りながら巨人戦を観戦するタレントのはなわさん【写真・矢口 亨】
祈りながら巨人戦を観戦するタレントのはなわさん【写真・矢口 亨】

タレントで大の巨人ファン・はなわの東京ドーム観戦記(前編)

 主力が活躍し、若手も躍動。投打もがっちりで、監督もどっしりベンチに腰を下ろす……。今季、阪神は2位以下をどんどん突き放し、鮮やかにゴールテープを切った。大のG党としても知られるタレントのはなわさんは阪神に拍手を送りながらも巨人にエール。「不動の強さをもう一度、お願いします!」と訴えた。

 2023年シーズン。セ・リーグは阪神が圧勝で優勝を決めた。ある9月の東京ドーム。はなわさんは東京ドームの一塁側バルコニー席で試合を観戦した。ジャイアンツのキャップに、岡本和真のTシャツを着用。ラウンジに並んだ料理で夕飯を済ませ、準備万端。18時プレーボール。選手たちを目で追った。CS進出へ望みを繋ぐため、巨人の勝利を信じた。

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 東京ドームに来るといろいろと思い出しますよね。佐賀から上京してきた20代前半。僕の大好きな松井秀喜さん、高橋由伸さんのホームラン、最高だった。原監督の引退試合も観にきた。ライトスタンドでもよく応援していた。ファンの熱気、間近で見る選手たちの汗や気迫。そういうものに感動して、「やっぱり生で見るのは違うな」と思ったのをよく覚えている。

 今回、観戦した座席は一塁側のバルコニー席。眺めは最高。球場全体を俯瞰で見れるというところがいい。外野手の動きとか走者の動き、相手のベンチワークも見られる。ちょっと面白い角度。(先発の)戸郷、頑張れ! コントロールがやっぱりいいなぁ。ピッチャーに憧れた自分を思い出す。

 小学校のとき、野球やっていた。こう見えてもプロを目指していた。僕は左利きなので、ポジションはファーストかピッチャー。ピッチャーでは14者連続で四球を出してしまい、それから1回も登板はなくなった。球は速かったんだけど……。
 
 小学5年生くらいからずっと巨人ファン。僕は「生まれつきGファン」と言っている。左ピッチャーだったので、宮本和知さん(現・巨人女子チーム監督)が大好きだった。この世界に入ったあと、宮本さんにその話をしたら、グローブをくれた。優しい。僕、草野球で使う僕のグローブは『宮本』って書いてあります。そのグローブ使うと、すぐにエラーをする。宮本さんのせいじゃないかなと思ってます。

食事を楽しみながら観戦するタレントのはなわさん【写真・矢口 亨】
食事を楽しみながら観戦するタレントのはなわさん【写真・矢口 亨】

巨人への希望…いい若手がいる、相手チームが強すぎて、ちょっと怒っちゃう

 デビュー当時、ものまねをやっていましたが、松井秀喜さんが大好きで、大好きで。顔まね、声まねでテレビに出ていた。僕は“松井に会いに行く”と思って、東京ドームに行っていました。やっぱり、2002年、巨人での最終戦(ヤクルト戦)の松井さんが忘れられない。大リーグに行くだろうとみんな思いながら見ていたシーズン50本目の本塁打。その場面はよく覚えている。

 最後の打席になるのか。キャッチャーフライだなと思ったら、捕手が落球してね。そして、その2球後にホームランを打ったという伝説の一発です。あれはすごかった。僕はあれで泣きましたね。リアルに。もう松井をこれで見られなくなっちゃうのか……なんて思っていた感情もあった。2000年のリーグVを決める江藤(智)さんの満塁弾と二岡(智宏)さんのサヨナラ弾もすごかったけど。

 なんか今と昔ってやっぱりもう違うのかと感じてしまう。時代かぁ~。時代によってもあると思うんですけども、なんかやっぱり当時の巨人は本当に強かった。“アンチ巨人”という言葉もあるように、我々巨人ファンに嫉妬したり、羨ましがられたり、なんか『ブーブー』言われたりするのが、ちょっと気持ち良かった部分もあったんですけど、最近、他球団のファンがそういうことを言ってこなくなっちゃってる感じが寂しいなんていうのもある。

「アンチ」という言葉がまだ成立してんのかなって、思う自分もいる。もう一度、ジャイアンツが不動の強さというか、レベルの違いを見せる野球が見たい。相手チームが強すぎて、ちょっと怒っちゃうくらい。嫉妬するようなチームになると嬉しいなって思う。

一塁側バルコニー席から球場を見渡すタレントのはなわさん【写真・矢口 亨】
一塁側バルコニー席から球場を見渡すタレントのはなわさん【写真・矢口 亨】

巨人ファンを代表して願うこと「勝って、泣かせてほしい。巨人が大好きだから」

 この試合(8日の中日戦・スコアは延長12回0-0)はなかなか点が取れなかった。中日のリリーフ陣もすごかった。圧倒するいい勝ち方を見たい。開幕直後から首位を走って、そのまま140試合終わるぐらい。2位以下を10ゲームや15ゲームぐらい離して、ダントツ優勝しちゃうぐらいの強さを見せてほしい。もうそれをちょっと、今の阪神にやられてしまっている感じが悔しい。

 でも今、巨人には若いいい選手がいっぱいいる。使って、育てて、来年こそはV9を超えるくらいの強さを目指して、頑張っていただきたい。家族や兄弟、芸人仲間と美味しく食事をいただきながら、楽しく野球をまた見たい。食べきれないくらいの料理と同じくらい、ファンをお腹いっぱい大満足させてほしい。松井の50号以来、僕は巨人戦で泣いていない。勝って、泣かせてほしい。巨人が大好きだから。そう願っています。(つづく)

(Full-Count編集部)

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