大谷翔平の突然すぎる手術連絡 エ軍監督も知らずの情報統制…執刀医はド軍ドクター

エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】
エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】

大谷は早朝に右肘手術もネビン監督「ショウヘイが何をしているか分からない」

 エンゼルスの大谷翔平投手が19日(日本時間20日)、ロサンゼルス市内のカーラン・ジョーブ整形外科クリニックで右肘の手術を受け、成功したと発表した。大谷の代理人を務めるネズ・バレロ氏が球団を通じて発表。来季開幕には打者として間に合う見込みで、2025年に二刀流復帰を目指す。大谷は自身のインスタグラムで「一日でも早くグラウンドに戻れるようにがんばります」とコメントした。

 突然の一報だった。大谷が右肘に再びメスを入れた。アダム・チョズコ広報部長が、大谷の代理人ネズ・バレロ氏から一報を受けたのは米東部時間17時22分。そのちょっと後の17時37分。「ショウヘイ・オオタニに関する声明」として報道陣にメール配信された。「ネズから連絡を受けて、すぐ連絡したよ。15分前に知ったんだ」。広報部長も大忙しだったようだ。

 チームは敵地・レイズ戦の試合前だった。フィル・ネビン監督が報道陣の取材に応じたのは16時37分。大谷手術の一報のちょうど1時間前だった。「ショウヘイが何をしているか分からない。本拠地に戻ってきたら合流すると言っていた。それだけだ」。指揮官のコメントを聞いた時は大谷手術を煙に巻いたものと思っていたが、どうやら本当に知らなかったようだ。

 当初から右肘手術の術式などは大谷サイドに任されていた。だが、仮にエンゼルスと契約途中だったり、残留を望むのであれば、手術日ぐらいはネビン監督も知っていていいような気もするが……。やはり「エンゼルス・大谷」は今季限りなのだろうか。

レイズ戦前に取材に応じたエンゼルスのフィル・ネビン監督【写真:小谷真弥】
レイズ戦前に取材に応じたエンゼルスのフィル・ネビン監督【写真:小谷真弥】

エラトロッシュ医師はドジャースのチームドクター「2025年には二刀流として」

「ショウヘイ・オオタニに関する声明」によると、執刀したニール・エラトロッシュ医師は今回の右肘手術について「慎重に検討を重ねた」という。エラトロッシュ医師は2018年10月の右肘のトミー・ジョン手術も担当。今もドジャースや、他競技のラムズでチームドクターを務めている名医だ。

「肘の寿命を伸ばすため、生体組織を移植しながら、目下の負傷を治療して健康な靱帯として強化する。2024年の開幕には打者として一切の制限なしに、2025年には二刀流として準備が整うことを期待している」

 エラトロッシュ医師の声明からは、大谷の二刀流継続への強い思いがにじみ出ている。

 大谷が今季残り試合の欠場を決めた16日(同17日)。大谷との再契約へ並々ならぬ意欲を燃やしていたペリー・ミナシアンGMは「ショウヘイは、ここでの時間を本当に楽しんだと思う。史上最高の3年間をここで過ごしたし、チームメート、ファン、そしてチームにも恵まれたと思う。長い間ここに残って欲しい」と話したが、以前ほどの熱意を感じさせず。どこか歯切れが悪かった印象だ。

 今オフにFAとなり、5、6億ドル(約740、890億円)とも言われる大争奪戦が予想されている。右肘のリハビリに新天地の模索……。大谷にとっては大忙しのオフとなりそうだ。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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