TVで見届けた2連覇に「悔しさあった」 最速155キロ…育成出身右腕が果たした“大出世”

ロッテ戦に先発したオリックス・東晃平【写真:荒川祐史】
ロッテ戦に先発したオリックス・東晃平【写真:荒川祐史】

東は7回1失点で今季6勝目、球団史上初のデビューから無傷の7連勝をマーク

■オリックス 3ー2 ロッテ(19日・京セラドーム)

 オリックスの高卒6年目・東晃平投手が、19日に行われたロッテ戦(京セラドーム)に先発し7回1失点の好投で6勝目を挙げた。自己最速を更新する155キロをマークし、球団史上初となるデビューから7連勝のおまけつき。育成出身の苦労人がリーグ3連覇へマジック2とする快投を演じた。

 初回からエンジン全開だった。1死走者なしで、藤岡から自己最速の155キロ直球で見逃し三振を奪った。走者を背負っても要所を締める粘りの投球で最少失点でしのいだ。最終イニングの7回にも154キロをマークするなど、自己最多110球を投げ抜き馬力を見せつけた。

 プロ入り当初は体重70キロの細身で速球も140キロ前半。「入団時はこんなに出ると思わなかった」と語るが、食生活や筋力トレーニングなどで体重を増やし、下半身主体の投球スタイルを手に入れたことで球速もアップした。7月から先発陣の輪に加わり、ここまで7勝と堂々たる成績を残している。

 ヤクルト・村上宗隆内野手、日本ハム・清宮幸太郎内野手と同じ1999年世代。昨年8月6日の日本ハム戦でプロ初勝利を挙げた際には「自分も何か記録を残せたらいいな」と同級生を羨んでいたが、わずか1年で肩を並べるまでに成長した。球団史に名を残すデビューから7連勝。「自信はついてきてます」と頼もしい言葉を口にする。

 2軍監督時代から見守ってきた“孝行息子”の活躍に、中嶋聡監督も「真っ直ぐの力あった。ピンチといっても死球と四球。それを抜いたら、僕は気にしない。内容の濃い良い投球」と賛辞を送った。

 昨年のリーグ2連覇は寮のTVで見届け「悔しさもあった」という。今年は胸を張ってリーグ3連覇の輪に入るつもりだ。「自分は初めてなので、明日勝って皆で楽しみたい」。20日、勝てば優勝のロッテとの直接対決。本拠地・京セラドームで歓喜の瞬間を待つ。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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