かつての侍捕手たちが“崖っぷち” FA戦士は今季出場0で引退…出番激減の巨人34歳も

広島・會澤翼、中日・大野奨太、巨人・小林誠司【写真:荒川祐史、矢口亨】
広島・會澤翼、中日・大野奨太、巨人・小林誠司【写真:荒川祐史、矢口亨】

中日の大野奨太捕手が今シーズン限りでの現役引退を発表

 世界中の野球ファンを盛り上げたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で野球日本代表「侍ジャパン」が優勝してから約半年。NPBのペナントレースは佳境を迎え、引退を表明する選手も出てきている。15日、2017年に行われた前回の第4回WBCで侍ジャパン代表に選出されていた中日の大野奨太捕手が、今シーズン限りで現役引退することを発表。大野奨をはじめとして、前回大会から比べると世代交代も進んでいる。今季が正念場となる代表経験捕手の現状を見ていく。(数字は20日現在)

 大野奨は日本ハム時代の2017年WBCに出場したが、同年から結果を出せずにいた。2018年から中日にFA移籍したものの、1軍で安定した成績を残せず。2021、2022年と2年連続で8試合出場にとどまっていた。日本ハム時代には大谷翔平を正捕手としてリードした36歳は、今季はここまで出場「0」で、15日に現役引退が発表された。

 巨人・小林誠司捕手は、2017年WBCでは全7試合に出場し、正捕手として牽引。課題とされた打撃でもチームトップの打率.450(20打数9安打)、1本塁打、6打点と結果を出し、日本中を盛り上げた。2019年「WBSCプレミア12」では3試合出場して優勝を経験。しかし、翌2020年以降は所属チームでもなかなか結果を出せず、2021年は64試合で打率.093、2022年はオールスター戦に選出されたものの、60試合出場で自慢の盗塁阻止率も.214。今季はスタメン出場が2試合、出場試合数自体も21試合にとどまるシーズンを送っている。今回のWBCメンバーにも選出された大城卓三、スタメン出場の機会も増えている岸田行倫といるが、今後はどのような起用となっていくのだろうか。

 2019年のプレミア12で正捕手として投手陣を引っ張った広島・會澤翼捕手も岐路を迎えている。大会では、打率.333(15打数5安打)とバットでも結果を出していた。しかし、翌2020年以降は振るわず、出場試合数も減り、今季は坂倉将吾の捕手コンバートもあり、出場51試合、自慢の打棒も打率.165、本塁打1本、9打点に留まっている。2017年から3年連続でベストナインに選ばれた輝きを取り戻せるか。

 12日、第3回「WBSCプレミア12」が2024年11月10日から24日まで開催されるとの発表があった。今回のWBCでは代表経験のあるソフトバンク・甲斐拓也、ヤクルト・中村悠平、そしてプロ入り後は代表初選出の巨人・大城の3捕手で構成された。それぞれが30歳を超える中堅の域に入ってきており、次の大会では新しい若手どころが台頭してくるのか、はたまた今回選ばれた選手たちが今後も球界を席巻していくのか、注目したい。

(Full-Count編集部)

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