経験者が語るハイブリッド手術 160キロ超は変わらず…大谷翔平も「問題ない」
グラスノーは2021年8月にハイブリッド手術→22年9月に復帰「前よりずっといい状態」
エンゼルスの大谷翔平投手が右肘靱帯の手術を受けてから一夜明けた20日(日本時間21日)。レイズの先発右腕タイラー・グラスノーが、大谷が受けたとされる「ハイブリッド手術」について語り尽くした。球速や球質に変化はないとし、「ショウヘイはとてつもない努力をしてきたし、いい医師もついている。練習姿勢が素晴らしいから問題ない。近いうちに新しい彼を見ることができる。カムバックは間違いない」と、二刀流の復活に期待を込めた。
大谷より1歳年上のグラスノーは、2021年8月4日(同5日)に右肘の手術を受けた。他の部位から移植する腱に加えて人工靱帯を使って補強する「ハイブリッド手術」。術後14か月後の2022年9月28日(同29日)にメジャー復帰したが、「激しい痛みの中で投げていた」という右腕にとっては、良いことばかりだったとういう。
「違和感は術後1年から1年半で消える。新しい人工靱帯で長く健康な状態で投げることができる。それに前よりもずっといい状態で投げられる。今は痛みから解放された気分だ。痛みはない」
グラスノーは大谷と同じように160キロ超の剛速球を武器とする。フォーシームの平均球速は手術前の2021年は97.0マイル(約156.1キロ)。今季は96.3マイル(約155.0キロ)と0.7マイル(約1.1キロ)と大きな誤差はない。
「術前と同じだ。もしかしたら、配球が以前と変わっているので少しだけ落ちたかもしれないけど、健康面は以前と全く同じだ」
仮に術後で大変だったことを挙げるとすれば……。それは「復帰までプランを立てること」だという。「想定していたよりもいい状態だった。術後1年半には、いい感じで投げることができた」。いい状態のあまり、ハイペースになることは避けたいところだ。
「もしかしたら、肘に張りを感じるかもしれない。通常のトミー・ジョン手術でも張りを感じるんだけど、(ハイブリット手術は人工靭帯を加えるので)靱帯は2つになった状態になる。でも僕の場合は手術を受ける前まで長いこと痛みがあったから、術後の張りは手術前よりもいい状態だった。2年経ったけど、アメージングな気分だよ。痛みも、張りも感じないよ」
もちろん手術には個人差があるだろうが、すでにプレーオフ進出を決めたレイズのエースは、ハイブリッド手術で劇的な手応えをつかんだようだ。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)