優勝の阪神と最下位の中日を隔てる“衝撃の差” データで一目瞭然…明暗生んだ要因

中日・立浪和義監督(左)と岡田彰布監督【写真:荒川祐史】
中日・立浪和義監督(左)と岡田彰布監督【写真:荒川祐史】

四球数は阪神が「470」で中日は「288」…得点数と出塁率に直結

 18年ぶりのセ・リーグ優勝を決めた阪神は、リーグトップのチーム防御率2.62が示すように投手力が際立った。打線もチーム打率は.2476で3位、74本塁打は5位ながら、出塁率.324、総得点524はトップだ。チームデータで見てもずば抜けた数値を示している項目もあり、貧打にあえぐ中日とは衝撃的な差がついている。(記録、数値は20日時点)

 中日はここまでチーム打率.236、66本塁打、出塁率.287、361得点。どれもリーグ最下位に沈む。両チームを大きく隔てるのが四球数だ。阪神は断トツの470で、中日は288。1試合平均で阪神は四球を3.5個得ているが、中日は2.2個。これが出塁率、得点に大きな開きが出ている要因の一つだろう。

 さらに、セイバーメトリクスの観点からプロ野球のデータを分析する株式会社DELTA(https://1point02.jp/)によると、大きな違いが見て取れる。ストレートに対する得点貢献を表した指標「wFA(Fastball runs above average)」で、阪神はトップの「28.2」を誇る。一方、中日はワーストの「-50.8」。セ5位のDeNAが「-15.3」だから大きな開きがある。打者の基本はやはりストレートを捉えられるか。そこに衝撃的な差が生まれている。

 個人で見ると、1位はヤクルト・村上宗隆内野手の「26.0」だが、続くのは佐藤輝明内野手で「22.4」。6位が大山悠輔内野手の「16.9」、7位が近本光司外野手の「15.7」で、トップ10に3人が入っている。

 中日は上位20人に入っている選手はおらず、チームトップの宇佐見真吾捕手が26位で「2.6」。規定打席到達者では細川成也外野手が「1.3」、岡林勇希外野手が「0.7」、大島洋平外野手が「-7.5」と直球に対しては苦労しているのが分かる。

 総合的な貢献度を表す「WAR(Wins Above Replacement)」では阪神投手陣が「23.1」で1位で、中日は「21.1」の3位。一方、打撃のWARはトップの阪神が「21.9」、最下位の中日が「9.1」と大差がつく。停滞する打撃を中日はどう改善していくのだろうか。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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