パを席巻する日本ハム“出身”指導者たち オリV3指揮官…ロッテ躍進支える名参謀も

ロッテ・吉井理人監督、オリックス・中嶋聡監督、ロッテ・金子誠1軍戦略コーチ(左から)【写真:小林靖、荒川祐史】
ロッテ・吉井理人監督、オリックス・中嶋聡監督、ロッテ・金子誠1軍戦略コーチ(左から)【写真:小林靖、荒川祐史】

パ6球団のうち、オリ中嶋監督、ロッテ吉井監督が“日本ハム出身”

 2023年のパ・リーグは、オリックスが平成以降では初となるリーグ3連覇を達成して、優勝ペナントを争う戦いは終結した。就任初年度から長く低迷したチームを立て直し、“常勝軍団”を築いた中嶋聡監督の手腕に注目が集まりがちだが、盤石な投手陣とリーグ屈指の攻撃陣を作り上げたコーチ陣も称賛に値する。さらに2位につけるロッテも、吉井理人新監督のもと新たな船出となり、昨季の5位から大きく躍進した。パをリードした2球団の共通点として、日本ハムで指導歴のある首脳陣が多く在籍していることが挙げられる。

 オリックスでは、中嶋監督が2004年から2018年まで日本ハムに在籍した。2007年から現役引退の2015年までは、バッテリーコーチを兼務。2016年からは業務提携を結ぶパドレスに派遣され、コーチ研修と外国人選手のスカウト業務にも携わっていた。2018年は1軍バッテリー兼作戦コーチを務め、同年オフにオリックス2軍監督に就任して古巣に復帰した。

 中嶋監督を支える“参謀”にも、ともに北の大地で戦った同志が多い。盤石の投手陣をブルペンから支える厚澤和幸投手コーチは、プロ入りした1995年から日本ハム一筋のプロ人生だった。引退後の2004年から投手コーチに転身すると、2010年まで務めた。2014年に現場復帰し、2021年まで通算15年に渡りコーチを務め、2022年からオリックスに活躍の場を移した。他にも、中垣征一郎巡回ヘッドコーチ、高橋信二打撃コーチも日本ハム出身だ。

 また、3連覇を編成部門から支えた福良淳一GMも2005年から8シーズン在籍。新庄剛志外野手(現日本ハム監督)や、小笠原道大内野手(現巨人3軍打撃コーチ)らを擁して北海道移転後初の日本一となった2006年、翌2007年のリーグ連覇は2軍の指導者として、2009年と2012年のリーグ優勝は1軍コーチとして味わった。

 ロッテでは、吉井監督が2度に渡って投手コーチを務めた。ダルビッシュ有と大谷翔平という、世界トップレベルの投手と接し、指導者としての知見を深めた。金子誠1軍戦略コーチは今季からロッテに移籍した。現役時代は日本ハム一筋で21シーズン活躍。引退後の2015年にはチーム統轄本部特命コーチに就任し、パドレスでコーチ研修を行った。翌2016年からは1軍打撃コーチとして現場復帰。様々な役職を務めて2022年オフに退団した。2013年から5年間投手コーチを務めた黒木知宏氏も、今季から古巣で指導にあたっている。

 今季のパ・リーグで大きなインパクトを残した2チームに共通する「元日本ハム」の影響力――。コーチ陣が指導者としての礎を築いた“古巣”は、2年連続最下位の危機にあるが、万波中正外野手が本塁打王争いを繰り広げるなど、明るい話題も少なくない。未来ある若手の“覚醒”を導く指導者が現れ、来季のパを驚かせる存在になることを期待したい。

(Full-Count編集部)

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