昨季1勝→16勝で最多勝確定 防御率1点台も目前…データが示す最強の制球力「2.4」

DeNA・東克樹【写真:荒川祐史】
DeNA・東克樹【写真:荒川祐史】

DeNAの東克樹は自身初の最多勝が確定、球団では30年ぶり快挙となった

 DeNAの東克樹投手は今季16勝(2敗)をマークし、同12勝の大竹耕太郎投手(阪神)、戸郷翔征投手(巨人)に上回られる可能性がなくなったため、自身初の最多勝が確定した。昨季はわずか1勝にとどまった27歳左腕が、球団では1993年の野村弘樹(17勝)以来となる快挙をもたらした。164回1/3を投げて防御率2.03の好成績を残す要因を探りたい。

 立命大から2017年ドラフト1位で入団し、1年目の2018年に11勝を挙げて新人王に輝いた。2020年2月に左肘のトミー・ジョン手術を受け2021年に復帰も、開幕投手を務めた昨年は1勝どまり。しかし今季はここまで23先発で16勝2敗、防御率2.03と圧倒的な成績を残し、最高勝率との2冠も視野に入れている。

 今季の成績を見ていくと、特に光るのが四球の少なさだ。与四球「15」は規定投球回に達した投手の中で、村上頌樹投手(阪神)と並ぶ最少タイ。しかし、イニングは東のほうが20回も多く、セイバーメトリクスの観点から分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、「与四球割合(BB%)」は2.4%でトップだ。

 昨季は50回2/3を投げて与四球10、防御率2.45で新人王に輝いた2018年でも154回で同42だったことから、飛躍的に向上していることがわかる。昨季、シーズン最少与四球記録「11」をマークした加藤貴之投手(日本ハム)の今季数値(16与四球、2.5%)を上回り、最も四球を出さない投手と言っても過言ではないだろう。

 また、四球が少ないだけではなく、厳しいコースにしっかりとコントロールできていたこともデータからわかる。ストライクゾーンの外(outside)の投球に対し、対戦打者がスイングしたケースの割合「O-Swing%」は40.0%とトップで、2位の山本由伸投手(オリックス)の36.9%を上回る。最多勝を裏付ける数字が並んでいる。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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