巨人一筋35年…原監督の偉大な功績 17年の指揮で歴代最多勝、9度のリーグV、日本一3度

セレモニー終了後にファンの声援に応える巨人・原辰徳監督【写真:矢口亨】
セレモニー終了後にファンの声援に応える巨人・原辰徳監督【写真:矢口亨】

1981年から1995年まで現役、2002年から2023年までに計17年間指揮を執った

 巨人・原辰徳監督の今季限りでの退任が決まった。第1次~第3次政権で計17年間指揮を執り、リーグ優勝9度、日本一3度。巨人の歴代監督で最多勝利を挙げた。現役での15年を含めて30年以上巨人のために力を注ぎ、日本代表の指揮官としてワールド・ベースボール・クラシック(WBC)制覇も果たした名将の功績を振り返る。

 原監督は東海大相模高で甲子園に4度出場。強打のスラッガーとして人気を集めた。東海大を経て1980年ドラフト1位で巨人へ。1981年に新人王、1983年に打点王に輝いた。ベストナインを5度、ゴールデングラブ賞を2度受賞するなど長きにわたって中心選手として活躍し、1995年に引退。通算成績は1675安打、382本塁打、1093打点、打率.279だった。

 1999年にコーチとして復帰して3シーズン過ごして、最初に監督に就任したのは2002年。長嶋茂雄監督から引き継ぎ、86勝52敗2分けでいきなりリーグ制覇を遂げる。西武との日本シリーズも4勝0敗で圧勝し、就任1年目で日本一監督になった。ところが、松井秀喜が抜けた翌2003年は3位に終わり、突然の辞任。第1次政権は2年で幕を閉じた。

 第2次政権は2006年に始まった。堀内恒夫監督の後を受けての再登板で、初年度は4位に終わった。しかし、小笠原道大や谷佳知が加わった2007年にV奪回。アレックス・ラミレス、マーク・クルーンらが加入した2008年は最大13ゲーム差を逆転して連覇を遂げた。入団2年目の坂本勇人をレギュラーで起用したのも、この年だ。ただ、2007年はクライマックスシリーズ(CS)、2008年は日本シリーズで西武に敗れた。

 2009年は栄光に満ちた1年になった。侍ジャパンの監督として、開幕前に開催された第2回WBCを制覇。ペナントレースでは年間89勝(46敗9分)を挙げ、2位・中日に12ゲーム差を付けてリーグ3連覇を達成した。そして日本シリーズでは日本ハムを4勝2敗で撃破。7年ぶり日本一に輝いた。

リーグ3連覇を2度…日本一には2002、09、12年に輝く

 2010、2011年は落合博満監督率いる中日に優勝を譲ったが、杉内俊哉や村田修一らが加わった2012年は交流戦を初制覇し、自身年間最高勝率の.667(86勝43敗15分)でリーグ優勝。日本ハムとの日本シリーズも4勝2敗で制した。

 2013、2014年も優勝し、2度目のリーグ3連覇を達成した。2014年は自身の甥でもある菅野智之投手が初のMVPを受賞した。一方で、2013年は楽天との日本シリーズに敗れ、2014年は阪神にCSで敗退した。2015年はヤクルトに次ぐ2位で、CSもヤクルトに敗退。この年限りで退任し、第2次政権は10年間でリーグ優勝6度、日本一2度で幕を閉じた。

 2018年に野球殿堂入りを果たした原監督に3度目のバトンが巡ってきたのは2019年。高橋由伸監督が率いた3年間は2、4、3位だったが、77勝64敗2分けでいきなり優勝を飾る。新型コロナ禍で120試合の短縮シーズンだった2020年も2位・阪神に7.5差を付けて連覇を果たした。だが、日本シリーズでは両年とも0勝4敗でソフトバンクに敗れた。

 そして、2021年からは3、4、4位。同一監督では球団初の2年連続Bクラスに終わった今季限りで退任となった。しかし、残した功績に曇りが生じることはない。巨人に新たな歴史を作った名将がユニホームを脱ぐ。

(Full-Count編集部)

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