防御率5点台で中日戦力外も…1軍で光った“魅力” 「18.5」を記録した29歳右腕

中日を戦力外となった岡野祐一郎【写真:矢口亨】
中日を戦力外となった岡野祐一郎【写真:矢口亨】

中日の岡野が戦力外、今季2軍ではKOされる場面もあったが…

 中日は5日、岡野祐一郎投手に来季の契約を結ばないことを伝えたと発表した。2019年ドラフト3位で加入し、今季は自己最多の1軍15試合に登板した。防御率こそ5.73と悪かったが、指標では好成績をマークしていた。

 今季はファームで開幕を迎え、3月17日のソフトバンク2軍戦に先発したが、5回7失点(自責6)といきなり崩れた。5月9日のオリックス戦でも2回6失点でKOとなり、この時点で2軍防御率は5.40だった。しかし、6月後半には中継ぎで2試合に登板。ともに無失点に抑えると、1軍に呼ばれ中継ぎとして15試合に登板する。

 1軍では複数失点する試合もあったが、四死球は少なく、15登板中14試合で1つ以上の三振を記録。セイバーメトリクスの観点から分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、「奪三振割合と四球数割合の差(K-BB%)」では18.5%と平均以上の数値をマーク。奪三振割合20.7%に対し、四球割合が2.2%と低かった。

 8月26日に登録を抹消され、その後ファームでは苦しい投球が続いてしまった。9月12日、15日、26日の試合で3戦連続で1回持たずKOに。今季は2軍で計18試合に登板して2勝6敗、防御率は5.12。2023年シーズンは悔しい形で終えることになった。

 来季で30歳という年齢的な部分もあるが、昨年までは2軍で3年連続で防御率3点台以下をマーク。直球の平均球速が140キロ前半と少し遅めではあるものの、制球力という点では、1軍でキラりと光る魅力を見せた。獲得に手を挙げる球団は現れるのか。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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