藤浪晋太郎、本当は防御率3点台? メジャー2位の「1.26」…不運に隠れた“真の実力”
投手の実力を示す「FIP」は3.88
激動の1年が終わりを迎えた。藤浪晋太郎投手が所属するオリオールズは10日(日本時間11日)、敵地で行われたレンジャーズとの地区シリーズ第3戦に1-7で敗戦。シリーズ3連敗となり、プレーオフ敗退が決定した。ロースターから外れていた藤浪はポストシーズンの登板をすることなく、メジャー1年目が終了。単年契約で渡米しており、このオフはFA市場での去就に注目が集まる。
藤浪の今季成績は、64試合登板で7勝8敗2セーブ、防御率7.18。“表向き”の数字は芳しくない一方で、渡米当初は先発として起用されており、成績を細かく見ていくと「見え方」が変わってくる。7度の先発機会では防御率14.26、WHIP2.15、被打率.333と結果を残せなかったが、救援では57登板で防御率5.14、WHIP1.30、被打率は.209と改善に成功した。
それでも防御率は5点台……と、今後に不安が残る部分もあるが、注目したいデータが「FIP」だ。この指標は、投手自身がコントロールできる3要素(奪三振・与四球・被本塁打)をもとに算出した“疑似防御率”を指し、メジャーでは投手の実力を示すデータとして使われることが多い。救援転向後の藤浪を見ると、FIPは3.88をマーク。防御率5点台よりも、高く評価されている。
さらに「E-F」というデータがある。防御率からFIPを引き算したもので、端的にいえば、プラスならば“実力”(FIP)よりも防御率が悪い=不運な面があった、マイナスならば運に恵まれたと見ることができる。藤浪の「E-F」は「1.26」。実は、救援投手ではメジャー2番目に乖離が大きく、能力に比べて結果が悪い方向に出ていた1人だった。
藤浪は、救援転向後の被打率はリーグ12位で、フォーシームで100マイル以上を計測した回数も136回がメジャー5位と、球威では申し分ない実力を証明している。表向きの数字ではなかなか見えづらいものの、メジャー1年目から確かな存在感を放っていた。果たしてオフのFA市場では、その“実力”をどう評価されるだろうか。
(Full-Count編集部)