中日貧打の“根本原因”は? 球界最悪の「-58.8」…手放した助っ人が覚醒する皮肉

中日・岡林勇希、木下拓哉、細川成也(左から)【写真:小林靖】
中日・岡林勇希、木下拓哉、細川成也(左から)【写真:小林靖】

ストレートに対する得点貢献を示す指標「wFA」が4年連続ワースト

 2年連続最下位に終わった中日。今季も打線は低調でチーム打率.234、71本塁打、390得点はいずれもリーグ最下位だった。要因の一つとも言えるのが“速球勝負”に弱いこと。セイバーメトリクスの指標でもその傾向が鮮明になっている。

 セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)によると、ストレートに対する得点貢献を表す「wFA(Fastball runs above average)」で中日は-58.8でワースト。5番目のDeNAが-19.0だから大きな開きがある。

 個々の選手を見ても、チームトップの木下拓哉捕手が2.4で全体29位。規定打席に到達した選手では細川成也外野手の1.8(35位)が最高だった。チームトップの打率.289をマークした大島洋平外野手も-8.5と苦戦した。

 これは近年の中日打線の傾向でもある。「wFA」は2020年から4年連続でリーグワースト。“真っ向勝負”の速球を打ち崩せないのが、貧打の一因になっていると言えるだろう。

 皮肉な結果も起きている。昨季まで中日に在籍したアリエル・マルティネス捕手は今季、日本ハムでチームトップの「wFA」11.8をマークした。昨年は中日で-0.8。新天地で苦手を克服したともいえる。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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