名手源田を止めた新星…12球団トップの「10.0」 中日20歳が見せた“驚愕守備範囲”

中日・龍空(左)と西武・源田壮亮【写真:荒川祐史】
中日・龍空(左)と西武・源田壮亮【写真:荒川祐史】

中日・龍空は今季114試合に出場し、守備で高指標をマーク

 中日の龍空内野手は、3年目の今季は自己最多を大きく更新する114試合に出場した。シーズン終盤は二塁での起用も増えたが、96試合を守り“主戦場”だった遊撃の守備では高い指標を記録。西武の源田壮亮内野手が1年目の2017年から君臨していた12球団トップの座を、若竜が奪った。

 セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、守備全般での貢献を示すUZR(Ultimate Zone Rating)の指標は、「10.0」。2位には、昨季セ・リーグ遊撃手のゴールデン・グラブ賞を獲得した長岡(ヤクルト)の「9.7」。3位には源田が「8.6」と名手たちが続く。源田はプロ入りした2017年から2022年まで6年連続で遊撃手のUZR12球団1位をキープし続けていたが、その座を奪った形となった。

 グラウンドを広くカバーできることも魅力の一つ。守備範囲の広さを示すRngR「10.1」は源田(7.8)を上回る数値。昨年は、京田(現DeNA)、三ツ俣(現ヤクルト)らと遊撃のポジションを争う状態だったが、2人の移籍により今季は出場機会が増加。終盤には打撃好調だったカリステが遊撃、龍空が二塁を守ることも増えたが、守備での確かな成長がファンの視線を集めた。

 来季のさらなる飛躍に向けて、課題はなんといってもバッティング。守備が売りといっても打率.187では物足りない。チーム全体としても、1試合平均の得点数は「2.73」で、12球団で唯一の2点台。スタメン定着のためには打撃成績の改善は必須だ。

 それでも飛躍を遂げた2023年。球団では2012年の井端弘和以来となる遊撃手のゴールデン・グラブ賞獲得を狙えるだけの成績は残した。守備での大きな強みを得た20歳はさらなる高みを目指す。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY