ロッテの勢いは「本物」 厳しい投手の台所事情も…専門家が逆転劇に見た“勝機”

CS第2戦に勝利したロッテ【写真:荒川祐史】
CS第2戦に勝利したロッテ【写真:荒川祐史】

1点を追う9回に安田の適時打、代打・山口の犠飛で逆転に成功しファイナルステージ初勝利

■ロッテ 6ー5 オリックス(19日・京セラドーム)

 ロッテは19日に行われたオリックスとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第2戦(京セラドーム)を6-5で勝利。追い越されても2度の逆転劇で待望の白星を手にし、アドバンテージを含め1勝2敗とした。野球評論家の新井宏昌氏は「第3戦のブルペンデーに勇気を与える勝利になった」と、分析した。

 シーソーゲームを制したのはロッテだった。初回1死二、三塁からポランコの二ゴロの間に先制するも、その裏に3点を奪われ逆転を許した。それでも6回には2死から連続四球と岡、安田の適時打で3点を奪い逆転。7回に再び追い越されるも、9回は安田の適時打、代打・山口の犠飛で試合を決めた。

 チームが一体となり最後まで諦めず劇的な勝利を手にしたロッテ。CSファーストステージを奇跡の逆転サヨナラで勝ち上がり、18日のファイナル初戦も3年連続「投手4冠」のエース・山本から5得点と勢いは止まらない。野手陣の奮起に新井氏も「2度の逆転は力がなければできない。この短期決戦で見せている力は本物」と賛辞を送った。

 ここまで安田はポストシーズン5試合で17打数7安打6打点、打率.412と大当たり。吉井監督が「スーパー安田」と語る“シリーズ男”の活躍がチームに勢いを付けている。ここに、ベテランの角中も8打数3安打、4四球の打率.375と勝負強さを見せ、1番・荻野も打率.286と先頭打者として牽引。9回に代走で出場し二盗を決めた和田などベンチ全員が戦力だ。

 苦しい投手事情だが、徐々に形になってきているという。先発メルセデスは5回3失点で降板したが、後を受けた4人のリリーフ陣は2失点で凌いだ。7回2死一塁からセデーニョに一時、逆転2ランを浴びた澤田も「捕手が構えている所より厳しい内角のコースに投げている。あれはもう一回打てと言われたら無理な本塁打。気にする必要はない」と新井氏は言う。

 総力戦で1勝を手にしたロッテは20日の第3戦でも先発にリリーフの澤村を送り、ブルペンデーで挑む。豊富な投手陣を揃えるオリックスに比べると、その差は大きいが「明日は今後の展開を左右する大事な試合になる。タイに持ち込めば佐々木朗を投げさせる状況が作れ、一気に流れはくると思います」と予想する。リーグ3連覇の絶対王者に一泡吹かせることができるか。ロッテの勢いはまだ続く。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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