オリ育成出身右腕は「山本に次ぐ」 専門家が絶賛の“超緩急”「全てのボールが武器に」

ロッテ戦に先発したオリックス・東晃平【写真:荒川祐史】
ロッテ戦に先発したオリックス・東晃平【写真:荒川祐史】

育成出身右腕・東が5回4安打無失点の好投、チームは日本Sへ王手

■オリックス 2ー0 ロッテ(20日・京セラドーム)

 オリックスは20日、ロッテとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第3戦(京セラドーム)に2-0で勝利し、3年連続の日本シリーズ進出に王手をかけた。先発のマウンドに上がった育成出身右腕・東晃平が5回4安打無失点の好投で流れを作った。野球評論家の新井宏昌氏は「球種が多彩で球に力がある。エースの山本に次ぐ力を持っている」と絶賛した。

 CSでも“負けない男”は不変だった。初回に1死一、二塁のピンチを背負ったが好調のポランコ、安田を凡打に抑え無失点。その後は150キロを超える直球にカットボール、ツーシーム、カーブ、チェンジアップなど多彩な変化球を操り、スコアボードに「0」を並べた。

 今季は6勝を挙げ、昨年のプロ初勝利から7連勝中の右腕の快投。新井氏は「緊張感ある試合でもシーズン同様の投球を見せた。初回を0点で抑えて勢いに乗った。投球が大胆になり、球種が多彩で全てのボールが武器になっていた」と評価した。

 その中でも、新井氏が注目したのは110キロ台のカーブ。初回のピンチでは投げることはなかったが、2回以降は緩急を生かし、カウント球としても有効だった。「あれだけ緩いボールを投げるのは勇気がいること。カウントを取り、タイミングを外した。カーブがあることで直球、落ちるボールも生きてくる」。1軍の経験こそ浅いが、持っている力はトップクラスであることをポストシーズンでも証明した。

打線の課題は1点の取り方「犠飛やボテボテのゴロでも…」

 19日の第2戦は1点リードの9回に山岡が打たれ逆転負け。嫌な流れを断ち切った右腕の好投で、日本シリーズ進出に王手をかけた。新井氏はこの先の日本シリーズでも東の存在は必要不可欠だと見ている。エース・山本、宮城、山崎福ら強力な先発陣の中でも「今の状態だけを見れば山本に次ぐ2番手の実力といってもいい」と太鼓判を押す。

 試合は何度も好機を作りながら、あと1本が出ない展開だったが、8回に若月、代打・頓宮の適時打で2点を奪い試合を決めた。打線は6回までで10残塁と課題も見え「2回の中川(1死一、三塁)の打席は何としてでも1点が欲しいところ。綺麗なヒットじゃなくてもいい。犠飛やボテボテのゴロでも1点。その積み重ねが勝利に繋がっていく。あそこで1点が入っていれば、もっと楽な展開になっていた」と指摘する。

 拙攻の連続でも勝ち切るのが、リーグ3連覇を果たしたチームの力ともいえる。勝つか引き分ければ、3年連続日本シリーズ進出が決まる。セ・リーグでは一足早く阪神がCSを突破した。「投手の層の厚さはオリックスが1枚も2枚も上。このまま一気に決めたいところだと思います」。空前絶後の盛り上がりを見せるであろう“関西ダービー”実現に向け、21日の第4戦は今季ロッテ戦で3勝無敗の宮城がマウンドに上がる。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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