ぶっつけ本番の右腕に託す“運命の第4戦” 専門家が分析するロッテCS突破の“条件”

ロッテ・種市篤暉【写真:荒川祐史】
ロッテ・種市篤暉【写真:荒川祐史】

ロッテは第4戦の先発に右肘の炎症でシーズン終盤を離脱した種市を送る

 ロッテは20日に京セラドームで行われたオリックスとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第3戦に0-2で敗れた。CSでは異例となるブルペンデーで挑むも、これでアドバンテージを含め1勝3敗と崖っぷち。野球評論家の新井宏昌氏が“運命の第4戦”を展望した。

 必死のリレーも勝利には届かなかった。先発の澤村が初回にいきなり2死満塁のピンチを背負うも紅林を三ゴロに仕留め無失点。その後中森、国吉、坂本が走者を許しながらも必死の無失点リレーを続けたが、8回に登板した西村が2点を失い、痛恨の敗戦となった。

 これまでCSファイナル2試合で計13失点と精彩を欠いていた投手陣が奮起。中森が3イニング無失点、シーズン3試合の国吉が2イニング無失点とベンチの期待に応えた。

 新井氏も「本当に投手陣はよく頑張ったと思います。シーズンで3試合しか登板のない国吉を起用するなど、まさに必死の継投。CSファーストステージから総力戦なだけに疲労は相当なものだと思います」と振り返った。

 後がなくなった21日の第4戦は、右肘の炎症でシーズン終盤を離脱した種市が1か月ぶりに先発のマウンドに上がる。今季は2020年9月に受けた右肘のトミー・ジョン手術から本格復帰し、キャリアハイとなる10勝(7敗)を挙げているが、“ぶっつけ本番”の形で大舞台を託された。

「投手出身の吉井監督が最善の投手を選んだということ。ただ、大きなプレッシャーがかかるのは間違いない。ブルペンデーの翌日でリリーフ陣も疲弊している状況。ある程度のイニングが求められる。故障明けで厳しい状況だが踏ん張るしかない」

 CSファーストステージ初戦に登板したエース・佐々木朗は第6戦に間に合うかどうか。望みを繋げるためには2連勝が絶対条件になる。「これは両チームに言えることですが、ヒットでなくても点を取れる好機で打者が状況を把握し、ホームに還す打撃ができるか。綺麗なヒットじゃなくてもいい。泥臭い1点を積み重ねることが必要。ロッテは負け越しているがいい戦いはできている」と新井氏。ロッテはもう一度、奇跡を起こすことができるのか。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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