朗希ベンチ入りで“圧力”も…「初回で勝負あり」 専門家が指摘するオリとロッテの差

オリックス・中嶋聡監督(左)とロッテ・吉井理人監督【写真:荒川祐史】
オリックス・中嶋聡監督(左)とロッテ・吉井理人監督【写真:荒川祐史】

森友哉が初回にロッテ先発の種市から先制2ラン

■オリックス 3ー2 ロッテ(21日・京セラドーム)

 オリックスは21日、京セラドームで行われたロッテとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第4戦に3-2で勝ち、3年連続の日本シリーズ進出を決めた。森友哉捕手が先制2ランを放ち一気に流れを持ってきた。野球評論家の新井宏昌氏は「ロッテベンチが描いた投手起用を潰す価値ある一発だった」と分析した。

 これ以上ない初回の攻撃だった。1死一塁から森が内角高めの直球を強振すると打球は右翼スタンドに着弾する先制の2ラン。右肘炎症から復帰し“ぶっつけ本番”でマウンドに上がったロッテ・種市の立ち上がりを攻めた。

 内角高め145キロの直球。しかも、明らかなボール球を完璧に捉えた“力と技”の一発に新井氏も「あのコースは腕をたたみ、スタンドに入れるバットが当たる角度も必要。様々な条件が揃わないとホームランにできない。素晴らしい技術。初回でしたが、これで決まったと思わせる価値ある一打だった」と絶賛した。

 ロッテとすれば、引き分けでもCS敗退が決まる1戦。勝利しか先がない状況の中、佐々木朗がベンチ入りするなど、まさに総力戦の様相だった。「ロッテとしては種市がリードされることなく、できるだけ長いイニングを期待していたと思います。ブルペンデーの翌日。CSファーストステージから投手が足りない中で何とか凌いでいた。初回の2ランで勝機はオリックスに傾いた」。投手の台所事情が厳しい中、初回に重たすぎる2失点となった。

オリックスは強力な投手陣で守り勝つ野球を体現【写真:荒川祐史】
オリックスは強力な投手陣で守り勝つ野球を体現【写真:荒川祐史】

阪神とオリックスは「対照的なチームで面白い試合が見られる」

 オリックスはシーズン同様に最後も強力な投手陣で守り勝つ野球を体現した。8回に山崎颯、9回に平野佳がソロを浴びるも追いつかれ、追い越されることなく試合を進めた。「この試合は宮城を含め4人の投手が四死球なし。だからこそ2本のホームランを打たれても2点で収まる。シリーズを通しても言うことない戦い方を見せた」と新井氏。

 これで日本シリーズはオリックスと阪神の“関西ダービー”が実現。レギュラーを固定しセ・リーグを制覇した岡田・阪神と、調子の良さ、相手との相性を考え100通りを超えるオーダーで3連覇を果たした中嶋・オリックスが激突する。

「対照的なチームで面白い戦いが見られる。本来は先発投手だけが変わるのが理想ですが、オリックスは仰木監督の采配を知る中嶋監督が上手く選手を起用している。チャンスを与え、刺激を与え、競争を促す。阪神は近年では投手、野手ともに最高のチームといえる。どちらも投手陣がいいので緊迫した展開になるのではないでしょうか」

 日本シリーズの関西対決は1964年の阪神-南海(現ソフトバンク)以来59年ぶり。オリックスと阪神の“頂上決戦”は28日からパ・リーグ本拠地の京セラドームで開幕する。シーズンを締めくくる大一番で最高の試合を期待したい。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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