10年で4人が戦力外…苦しむ“鷹のドラ1” タイトル獲得ゼロ、移籍後に活躍する選手も

日本ハム・田中正義、ソフトバンク・高橋純平、佐藤直樹、阪神・加治屋蓮(左から)【写真:荒川祐史、藤浦一都】
日本ハム・田中正義、ソフトバンク・高橋純平、佐藤直樹、阪神・加治屋蓮(左から)【写真:荒川祐史、藤浦一都】

2015年高橋純平、2019年佐藤直樹のドラ1コンビが戦力外に

 ソフトバンクは22日、高橋純平投手、佐藤直樹外野手ら7選手と来季の支配下契約を締結しない旨を通達したと発表した。高橋純と佐藤直はともにドラフト1位で入団したが、1軍で結果を残すことはできなかった。ここ10年のドラフト1位選手を見ると、すでに4人が戦力外となっている。

 高橋純は県岐阜商から2015年のドラフトで3球団競合の末、ソフトバンクに入団。2019年に中継ぎで45試合に登板し3勝2敗、防御率2.65とブレークしたが、その後は故障と制球難に苦しみ、直近2年間は1軍登板がなかった。佐藤直もJR西日本から2019年ドラフトで入団したが、1軍では114試合で打率.129、2本塁打、4打点と結果を出せなかった。

 2013年ドラフト1位の加治屋蓮投手と2017年ドラフト1位の吉住晴斗投手がすでに戦力外通告を受けている。加治屋は阪神と契約を結び復活。今季は51登板で防御率2.56と安定しリーグ優勝に貢献した。吉住は1軍登板なしで引退を決断した。

 メッツに移籍した千賀滉大投手ら育成出身選手の活躍が目立つ一方で、ここ10年の“ドラ1”からタイトルホルダーはゼロ。最も活躍しているのは2014年ドラフトの松本裕樹投手か。今季は自己最多53試合に登板し、防御率2.68、25ホールドを挙げた。2018年ドラフトの甲斐野央投手も46試合で防御率2.53と安定した成績を残した。

 加治屋と同じく他球団移籍して芽が出た選手も。近藤健介外野手の人的補償で日本ハムに移籍した田中正義投手は2016年ドラフトで5球団競合の目玉だったが、ソフトバンクでは6年間で未勝利。移籍した今季は守護神の座を奪い、2勝3敗25セーブと大躍進した。

 3年目の井上朋也内野手は、今季1軍デビューでプロ初本塁打を放つなど、覚醒の兆しを見せている。2年目の風間球打投手、ルーキーのイヒネ・イツア内野手は怪我などもあり、2軍出場なしに終わった。プロにいる限り一生背負う「ドラフト1位」の看板。若鷹たちは周囲の期待に応えることができるだろうか。

(Full-Count編集部)

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