オリ背番号「9」の“グチトモ”が繋がったCS 懐かし応援歌に新旧グッチが明かした本音

オリックス・野口智哉(左)と坂口智隆氏【写真:荒川祐史、中戸川知世】
オリックス・野口智哉(左)と坂口智隆氏【写真:荒川祐史、中戸川知世】

ロッテとのCSファイナル第4戦で野口の打席で響き渡った応援歌

 パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第4戦で響き渡った応援歌に、懐かしさと喜びに浸る2人の「グッチ」がいた。オリックスで背番号「9」を背負う野口智哉内野手、過去に不動の先頭打者としてチームを牽引した坂口智隆氏。球場の空気を一変させる“武士(もののふ)の心”は受け継がれていた。

 ロッテとのCS第4戦。野口は手首を負傷しベンチを外れた紅林弘太郎の代わりに「9番・遊撃」でスタメン出場を果たした。「久々のスタメンだったので。今日はどうなのかな? と思って。すぐに変化に気づきました」。3回の第1打席。いつもとは明らかに違うライトスタンドの声援に驚きを感じた。

 白地に赤字で「9」の数字がデカデカと刻まれた応援旗。流れる音楽は2015年までオリックスに在籍していた坂口氏のもの。「1番・中堅」として最多安打、4年連続ゴールデングラブ賞に輝いた名選手の応援歌が本拠地・京セラドームで復活した。

 ~素早く力強く、先陣を切れ、激闘の中で紅く炎やせ! 武士の心~

 坂口氏と面識はないが、これまで専用の応援歌がなかっただけに「いやぁ~、もう本当に嬉しかったですよ。(打席に入った瞬間)違うやん! って。かっこいいですよね」と喜びを爆発させた。2021年ドラフト2位で入団し今年は勝負のシーズン。「早くファンの皆さんに認めてもらいたい思いあった。応援歌が一つの基準なのかなと思っていたので」。3年連続の日本シリーズを決めた大一番での“デビュー”に心は高ぶった。

本職は遊撃手、俊足、強肩を生かし外野手としてもプレーする【写真:荒川祐史】
本職は遊撃手、俊足、強肩を生かし外野手としてもプレーする【写真:荒川祐史】

野口は「僕なんかより遥かに可能性を持った選手」

 背番号と共に名前が類似する“グチトモ”はファンの間でも認識されており、応援歌が流れるとX(旧ツイッター)では「ついにグッチからグッチに応援歌が引き継がれた!」と話題に。CSファイナル第1戦では解説者として試合を見届けた坂口氏も、応援歌の“復活”を誰よりも喜んでいた。

 現役引退から1年が過ぎてもオリックスファンから温かい言葉をたくさん貰うという。「やっぱり球場で流れるとうれしく、懐かしくも感じます。歌詞もメロディーも好きだった。引退のスピーチにも入れさせてもらいましたから」。昨年の引退セレモニーでは「オリックス・バファローズでは、もののふの心という戦う姿勢、心を~」と、応援歌のワンフレーズを用いて、ファンに感謝の言葉を伝えていた。

 坂口氏はリーグ3連覇のチームでレギュラー獲得を目指すホープを、密かに応援している。本職は遊撃手だが、俊足、強肩を生かし外野手としてもプレーする。右投左打の背番号「9」。解説者としても“後輩”がグラウンドで魅せる一挙手一投足をチェックする。

「応援歌はファンの方が一生懸命考えて作ってくれた、選手にとっての宝物。今は坂口の応援歌が復活と言ってもらえていますが、野口選手は僕なんかより遥かに可能性を持った選手。近い将来、野口選手の応援歌として定着できるように頑張ってほしいです」

 グッチからグッチに引き継がれた“魂の応援歌”。日本シリーズで阪神と59年ぶりに行われる「関西ダービー」でも、背番号「9」の活躍に期待したい。

○著者プロフィール
橋本健吾(はしもと・けんご)
1984年6月、兵庫県生まれ。報徳学園時代は「2番・左翼」として2002年は選抜優勝を経験。立命大では準硬式野球部に入り主将、4年時には日本代表に選出される。製薬会社を経て報知新聞社に入社しアマ野球、オリックス、阪神を担当。2018年からFull-Countに所属。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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