侍Jの秘密兵器…朗希世代の虎左腕が劇的進化 チームNo.1の破壊力「31.3」「2.30」

阪神・及川雅貴【写真:中戸川知世】
阪神・及川雅貴【写真:中戸川知世】

阪神・及川雅貴は今季33登板…空振り率は30投球回以上でチームNo.1

 井端弘和監督が就任した野球日本代表「侍ジャパン」は、「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ 2023」(11月16~19日、東京ドーム)に出場する26選手を24日に発表。若手中心のフレッシュな顔ぶれとなった。阪神の4年目左腕・及川雅貴投手もその一人だが、盤石だったチーム投手陣の中でも秀でた能力を備える。

 及川は横浜高時代から注目され、同学年のロッテ・佐々木朗希、ヤクルト・奥川恭伸、オリックス・宮城大弥、同僚の西純矢らと並び称される存在だった。ドラフト3位で阪神に入団し、2年目の2021年に39試合に登板した。

 昨年は故障の影響で1登板に終わったが、今季は33登板で3勝1敗7ホールド、防御率2.23。36回1/3で40三振(奪三振率9.91)を奪った。特に存在感を放ったのが後半戦。8月以降は11登板で12回を投げて7安打12奪三振、自責1。防御率0.75の安定感だった。

 セイバーメトリクスの観点から分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、及川の空振り率「Whiff%」は31.3%。30投球回以上の投手の中でチームトップ、全体でも6番目の数値だ。

 得意とするのはスライダーで今季は全投球の30.2%を占めた。スライダー100球当たりの失点増減「wSL/C」は30投球回以上の投手の中でチームトップの2.30を記録している。

 速球の平均球速は今季、自己最速の147.3キロだった。2021年の「Whiff%」は22.5%で、「wSL/C」は-0.74。この2年で大きな進化を遂げた左腕は、侍のユニホームを着てどんな投球を見せてくれるだろうか。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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