「関西ダービー」はどちらに軍配? 交流戦はオリ勝ち越し…対照的な“起用法”

オリックス・山本由伸(左)と阪神・近本光司【写真:荒川祐史】
オリックス・山本由伸(左)と阪神・近本光司【写真:荒川祐史】

交流戦はオリックスが2勝1敗で阪神に勝ち越し

 クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージを突破したオリックスと阪神が、28日から「SMBC日本シリーズ2023」で激突する。頂上決戦前に、今季の交流戦の戦績と両軍の特徴を見ていく。

 直近の対戦は、6月に甲子園で行われた交流戦で、このときはオリックスが2勝1敗で勝ち越している。6月13日の試合は、日本シリーズ第1戦で先発する、山本由伸投手と村上頌樹投手による投げ合いだった。山本は8回を被安打わずか2、11奪三振の無失点と貫禄の投球。村上も8回を4安打2失点と好投したが少ないチャンスをものにしたオリックスが、2-0で勝利した。

 翌14日は阪神が、初回にヨハン・ミエセス外野手と佐藤輝明内野手の連打で4点を奪うなど、相手投手陣に2桁安打を浴びせ8-3で勝利。そして15日は劇的な結末に。阪神先発・伊藤将司投手に抑え込まれたオリックスだったが、1-2で迎えた9回1死から頓宮裕真捕手が同点ソロを放つと、さらに2死から杉本裕太郎外野手が勝ち越し本塁打。土壇場で2本のアーチが飛び出し、逆転勝利を収めている。

 阪神は、オリックスとは対照的にスタメンをほぼ固定してシーズンを戦い抜いた。1番・近本光司外野手は28盗塁で盗塁王、リーグ最多の三塁打12本と足が武器。2番・中野拓夢内野手は164安打で最多安打に輝いた。リーグ最多の494四球を選んでいることも今年の阪神の特徴で、特に4番・大山悠輔内野手はリーグ最多99四球を選び、.403で最高出塁率者賞に輝いた。

 そして5番・佐藤輝は2年ぶりに2軍落ちを経験したが、優勝の懸かったシーズン終盤に調子を上げ、9・10月度の月間MVPを受賞。下位打線もあなどれない。「恐怖の8番」木浪聖也内野手は、広島とのCSで10打数5安打1打点と活躍、日本シリーズ進出に貢献した。

主力の状態が心配がオリックス……2年連続日本一へ「全員で勝つ」

 阪神は投手陣も、村上を含めてタレントぞろい。現役ドラフトでソフトバンクから移籍した大竹耕太郎投手は12勝2敗、防御率2.26と飛躍のシーズンを送った。CSでの登板はなかったが、交流戦で防御率0.00と躍進した才木浩人投手や、9月に3勝0敗と状態を上げた西勇輝投手も、オリックスには手強い存在となりそう。ブルペン陣も盤石で、抑えの岩崎優投手はセ最多35セーブを挙げている。

 オリックスは主力の状態が気がかりだ。昨年の日本シリーズMVP・杉本は、CSファイナル第4戦で左足首の痛みのため途中交代。紅林弘太郎内野手は第4戦がベンチ外、リーグ首位打者の頓宮も骨折から復帰したばかりだ。

 それでも「全員で勝つ」を合言葉に開幕から勝利を積み重ねてきたオリックス。森やレアンドロ・セデーニョ内野手の“日本シリーズ初出場組”は、CSでもいい場面で一発を放っているだけに期待がかかる。昨年、投打で日本一に貢献した山崎福也投手にとって、甲子園は日大三高時代、春のセンバツで1大会通算最多タイ13安打を記録した思い出の地だ。DH制のない敵地での登板となれば、投打“二刀流”での働きぶりは見どころになる。

 1964年の南海対阪神以来、59年ぶりとなる日本シリーズでの「関西ダービー」。オリックスの本拠地・京セラドーム大阪で幕を開ける。

(「パ・リーグ インサイト」菊地綾子)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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