中日を悩ます深刻な“二遊間”問題 攻守ともワースト…大量補強で競争激化必至

中日・龍空、田中幹也、福永裕基(左から)【写真:荒川祐史】
中日・龍空、田中幹也、福永裕基(左から)【写真:荒川祐史】

2年連続で二遊間を守れる大卒・社会人系を“大量獲得”した立浪竜

 2023年の「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が26日に行われ、中日は2位で三菱重工Eastの津田啓史、3位で仙台大の辻本倫太郎の両内野手を指名した。昨年も村松開人(明大)、濱将乃介(NOL・福井)、田中幹也(亜大)、福永裕基(日本新薬)の4人を指名しており、2年連続での二遊間を守れる大卒・社会人系内野手の“大量獲得”となった。競争激化必至の立浪竜の二遊間で、抜け出す選手は誰になるだろうか。

 確かに、中日の二遊間はウイークポイントだ。セイバーメトリクスの指標を駆使して分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、二塁手のトータル失策数11、遊撃手の失策数17は共にリーグワースト。バッティングでも、二塁手トータルの打率.212、遊撃手の打率.205は共にリーグワースト。遊撃については、12球団でも最低打率だ。現役時代に通算2480安打、5度のゴールデン・グラブ賞を獲得している立浪和義監督も、もどかしい思いで現況を見つめているに違いない。

 そうした中で、激化する競争を勝ち抜くのは誰になるだろうか。今季での実績で言えば、龍空内野手と村松が有力候補だ。龍空は守備全般での貢献を示す「UZR」(Ultimate Zone Rating)が10.0で、12球団トップだが、打率は.187とバッティングが課題。村松も2度のサヨナラ安打を放つなど勝負強さを示したものの、トータルでは打率.207。守備でも二遊間を守って計10失策を犯している。いずれも改善点は明白といえる。

 他にも、今季期待されながら右肩手術で開幕前に離脱した田中幹もいる。かつては鉄壁の“アライバ”(荒木雅博-井端弘和)コンビを誇った竜の二遊間も苦境にあるが、今回のドラフト勢も含めて、立浪監督のお眼鏡にかなう選手が台頭するのか注目したい。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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