準備に1か月、イチロー氏と濃密な2日間 思い出じゃなくて甲子園のため…旭川東の決意
臼井颯汰主将は「甲子園に行くためにこの2日間は充実したものにしよう」と意気込んだ
マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏が、4日から2日間にわたり北海道・旭川東高で野球部員たちを指導した。臼井颯汰主将(2年)は、球界のレジェンドとの濃密な2日間を、「イチローさんが来るまでに、どんなことをしたらいいかということを決めて今日までやってきました」と振り返った。
2020年から行われているイチロー氏の高校生指導は今回で7回目。旭川東への訪問は選手たちが質問を用意できるように、サプライズではなく、事前に告知された形で行われた。臼井主将は貴重な2日を振り返って「イチローさんから質問が(今までの学校で)一番多かったと言っていただいた」と安堵の表情を見せた。
レジェンドとの対面までの1か月間では、この練習を充実したものにするために用意したと話す。同校は通算11度、北北海道大会の決勝に進みながらも甲子園出場経験はない。あと一歩で届かない聖地に対する思いは強く、「絶対に思い出じゃなくて、甲子園に行くためにこの2日間は充実したものにしよう」と意気込んで当日に臨んだ。
練習をともにしての一番の発見は「仲間への厳しさっていうのがチーム力を高めるためには必要不可欠なことだというのがイチローさんの口から聞けた」と話し、今後のチーム作りの方針とするという。
旭川東ナインの熱量にはイチロー氏も驚いた様子で、事前告知があった点は考慮しつつも「これだけいろんな質問できるってすごいよね。もう断トツだから。質問の数。過去の高校生に比べて」と、この2日間に懸ける思いに感心していた。
練習の最後には、部員から花束と寄せ書きを受け取ったイチロー氏。「うれしい、ありがとう。これはシアトルに持ち帰ってじっくり見させてもらう。僕の部屋に置いておきます。僕からはバットを。もらっても困るという感じなら持って帰るけど」と冗談を交えながら挨拶。お互いに忘れられない2日間となった。
(Full-Count編集部)