移籍1年目の後悔「チャンス潰した」 オコエが巨人で学んだ「1軍の絶対条件」

宮崎秋季キャンプで汗を流す巨人・オコエ瑠偉【写真:荒川祐史】
宮崎秋季キャンプで汗を流す巨人・オコエ瑠偉【写真:荒川祐史】

オコエは開幕スタメンも定位置奪取ならず、今季途中から代打が主戦場に

 昨年12月に行われた現役ドラフトで楽天から巨人へ移籍したオコエ瑠偉外野手は、苦悩の移籍1年目となった。今季は自身4年ぶりの開幕スタメンを勝ち取ったが、レギュラー定着とはいかず、41試合出場で打率.235、2本塁打、6打点。今一つブレークしきれなかったのは、パ・リーグとセ・リーグの違いに苦しんだからだという。

「代打でチャンスを潰してしまったなと。代打にパ・リーグとの違いを感じました。セ・リーグは投手のところで代打で出る機会が多い。1年目の浅野(翔吾)も『代打は難しいです』と話してましたけど、代打に関しては、自分も浅野と同じぐらいの経験しかない。パ・リーグは代打がないので、課題になったなというのはあります」

 オープン戦で打率.310と好調をキープ。4月は主に1番スタメンの試合が多かったが、「感覚と結果はマッチしていない部分があった」という。徐々に成績を落とし、5月8日に2軍再調整に。1軍再昇格した6月以降はベンチスタートが増え、代打では9打数1安打、6三振。8月10日に2軍再調整となり、そのまま2軍でシーズンを終えた。

「シーズン終盤は感覚的に状態がすごく良かったですが、その時は萩尾(匡也外野手)ら若い選手が1軍に上がっていた。ジャイアンツはいい打者がたくさんいるので、試合で打っても次の日にスタメンでいく確証は全くない。代打で結果を出すことは1年間、1軍でやるためには絶対条件なんだなとすごく感じました」

移籍1年目は41試合出場で打率.235、代打では「自分の持ち味の積極性が空回りしていた」

 巨人には長野久義、中田翔ら経験豊富なベテラン勢がいる。オコエ自身も代打のアドバイスを求めたが、なかなか迷いを捨てるまではいかなかったという。

「打席でどういった意識でいくかが大事だと思うんですけど、いまだに答えが分かっていません。自分の持ち味は良くも悪くも積極性ですが、今年は空回りしていたかなと思います。代打では投手の球がいつも以上に速く感じます。ただ、思い切って勝負をかけるところは勝負をかけないといけない。そういうところで経験が生きてくると感じました」

 今オフにメキシコでのウインターリーグ参戦を目指したが、現地での治安を考慮した上で断念。ただ、移籍1年目の今季を終え、例年以上に充実感を感じているという。

「これだけ元気に1年間プレーできたのは久々なので。今は来年がすごく楽しみです。より細かなところを詰めて、1年間1軍にいるために、今年感じた代打、あとは調子が落ちてきた時にどう対処するか。色々と取り組めればと思います」

 現役ドラフトから1年。新天地で得た学びを胸に刻み、来季のブレークへつなげる。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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