目に見える数字だけで評価できない魅力 オリスカウトが明かすドラ4捕手の“1打席”

オリックスから4位氏名を受けた報徳学園・堀柊那【写真:橋本健吾】
オリックスから4位氏名を受けた報徳学園・堀柊那【写真:橋本健吾】

ドラフト4位指名の報徳学園・堀は契約金4000万円、年俸500万円で仮契約(金額は推定)

 オリックスからドラフト4位指名を受けた堀柊那捕手(報徳学園)が13日、神戸市内で仮契約交渉に臨み、契約金4000万円、年俸500万円(金額は推定)で合意した。二塁送球1.8秒台を誇る強肩が魅力の“高校No1捕手”の評価を受けてのプロ入り。担当の下山真二スカウトは「見に行く試合で必ず結果を残す。これもご縁に繋がると思った」と、獲得に至った理由を明かした。

 今春の選抜大会では「3番・捕手」として出場し準優勝に貢献した堀。準決勝の大阪桐蔭戦では矢のような送球で二盗を阻止して聖地を沸かせた。打っても高校通算17本塁打、50メートル6秒1と“走攻守”揃った万能捕手として期待されている。下山スカウトは「まずは守備力。その中で肩がずば抜けている。内野手をやっていたフットワークを生かしたスローイングも魅力」と、素質の高さを口にした。

 ただ、目に見える“数字”だけで指名したわけではないという。惚れ込んだのは、2年生の時に出場した春季近畿大会準決勝、智弁和歌山戦の第1打席。「1番・捕手」でスタメン出場すると、第1打席で左中間スタンドに弾丸ライナーで飛び込む先頭打者本塁打を放った。

 この一発を振り返った下山スカウトは、「対応能力の高さを感じた。見たことない投手からスライダー、変化球を完璧に打った。体作りもあるが、早い段階で1軍の選手として期待したい。息の長い選手、日本球界を代表する選手になってほしい」と話した。

オリックスの捕手は堀を入れても7人、1年目から実戦経験を積むチャンスも

 公式戦、練習試合を視察する度に結果を残し、脳裏に刻まれるプレーを幾度となく見せてきた。ポテンシャルの高い選手は数多く存在するが、それをいかにスカウトの目の前でアピールできるかも重要だ。リーグ3連覇のチームに加わる堀は「中学、高校は自信もあったがプロに入れば下の方。挫折することもあると思うが1日でも早く1軍で活躍できるように」と、意気込みを口にする。

 チームにはゴールデン・グラブ賞の若月健矢、強打で主軸の森友哉とリーグ屈指の2人が君臨。ただ、今オフには中川拓真、育成の釣寿生が戦力外となり、現状の捕手登録は堀も入れて7人。首位打者を獲得した頓宮裕真は一塁、DHでの起用が濃厚で、実質6人の“少数精鋭”で来季を迎える可能性も出てきた。

 仮契約に同席した福良GMは「そこまで焦る必要はない。じっくり時間をかけて」と口にするが、高卒選手でも積極的に起用するチームの土壌はあるだけに「それだけの物は持っていると思う」とも期待した。圧倒的な強肩を武器にする“将来の正捕手候補”が、リーグ4連覇を目指すオリックスに加わった。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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