大谷翔平、史上初の2度目の満票MVPへ 「選ばないのは難しい」鍵握る“レ軍記者の目”

エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】
エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】

満票MVPにエンゼルス低迷は関係ある? レンジャーズ番記者2人を取材

 全米野球記者協会(BBWAA)の記者投票で決まる最優秀選手(MVP)が16日(日本時間17日午前8時)に発表される。エンゼルス・大谷翔平投手は44本塁打を放って日本選手初の本塁打王を獲得。投手としても10勝を挙げ、2年ぶり2度目の受賞が確実視されている。日本選手でMVPを受賞したのは2001年イチローと2021年大谷の2人のみで、複数回の受賞となれば日本人初の快挙。注目は、史上初の満票MVPとなるかだ。

 MVPは各球団の本拠地都市から2人ずつ、両リーグともに30人が投票し、最多ポイントを獲得した選手が受賞する。昨季リーグ記録の62本塁打を放ったヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手の満票MVPを“阻んだ”のは、大谷の所属するロサンゼルス・アナハイム支部の記者2人。そういったことを考えれば、MVPの最終候補入りしているレンジャーズのコーリー・シーガー、マーカス・セミエン両内野手のダラス支部の“地元票”が鍵を握る。

 大谷が右脇腹痛と右肘手術でシーズン終了を発表した後の9月下旬。エンゼルス戦取材のためにアナハイムを訪れていたレンジャーズ番記者の2人にインタビューを実施した。実際にMVP投票に関わるかは定かではない(口外は禁止されている)が、MLB公式サイトのケネディ・ランドリー記者、ダラス・モーニングニューズ紙のエバン・グランド記者ともに大谷のMVPを推していた。

 ランドリー記者「シーズンの4分の3の期間で、MVP最有力候補と証明しました。シーガーはオオタニを倒す可能性を秘めた唯一の選手ですが、やはりオオタニの活躍を見落とすわけにはいきません。打撃では偉大なシーズンでしたし、投球でもキャリア屈指。どの投票者にとっても、ショウヘイ・オオタニを選ばないのは難しいと思います」

 グラント記者「やはりやっていることは歴史的だ。ベーブ・ルース以降100年間、我々が見られなかったことをやっているんですから」

 仮に大谷の満票MVPを阻むとすれば、エンゼルスのチーム戦績か。エンゼルスはリーグ4位と低迷したが、レンジャーズはレギュラーシーズン最終戦まで熾烈なリーグ優勝争いを繰り広げた。投票はレギュラーシーズン終了後に締め切られるためレンジャーズのワールドシリーズ制覇は投票に影響しないが、両記者とも以前ほどMVP投票に影響しないという。

 ランドリー記者「考慮しないといけないことだと思っていますが、マイク・トラウトはエンゼルスが勝てないチームであるにも関わらず、MVPを3回獲得しましたから」

 グラント記者「前ほどの基準には見なされなくなったと思います」

 大谷が史上初、2度目の満票MVPに輝く可能性は高そうだ。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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