「これまでの侍にいないタイプ」 世界でも躍動…専門家が絶賛した2人のルーキー

侍ジャパン・森下翔太(左)と門脇誠【写真:荒川祐史】
侍ジャパン・森下翔太(左)と門脇誠【写真:荒川祐史】

阪神・森下が先制ソロを含む2安打、巨人・門脇は3安打1打点の大暴れ

 2人のルーキーが大舞台で躍動した。「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ 2023」は16日に東京ドームで行われ、野球日本代表「侍ジャパン」はチャイニーズ・タイペイに4-0で勝利。阪神・森下が先制ソロを放てば、巨人・門脇は3安打1打点と大暴れ。野球評論家の新井宏昌氏は「3年後のWBCも十分に狙える」と太鼓判を押した。

 相手先発・グーリンに6回1死まで完全投球を許す。重苦しい空気が漂うも、チームを救ったのは森下の一振りだった。7回1死走者なし。甘く入った高めの150キロ直球を強振した打球は弾丸ライナーで左翼席に突き刺さった。チーム初アーチとなる先制ソロが呼び水となり、9回には打者一巡の猛攻で一挙3点を奪いリードを広げた。

 日本シリーズでは新人最多の7打点をマークし38年ぶりの日本一に貢献。ルーキーながら3番を任された若き主砲は日の丸を背負った、侍ジャパンでも勢いは止まらなかった。4打数2安打1打点の活躍に新井氏は「ワンチャンスを確実にものにした。持ち味の思い切りの良さで生まれたホームラン。打撃スタイルは確立されている」と評価した。

 7回は先頭の広島・小園が左前打で出塁も二盗に失敗。走塁死でチャンスを潰していただけに「0-0の場面でましてや試合終盤の無死一塁で盗塁のサインはない。グリーンライトの指示を与えられていたのではないか」と指摘。それでも「積極性が空回りし、嫌な空気が流れる中でチームを救った価値ある一発だったと思います」と、目を細めた。

阪神・森下は「これまでの侍ジャパンにはいないタイプ」

 もう1人のルーキーも躍動した。この日は本職の遊撃ではなく「8番・二塁」で出場した門脇。6回1死の第1打席ではチーム初安打となる右中間二塁打。8回の第3打席で左前打、9回2死一、三塁で迎えた第4打席でダメ押しとなる右前適時打を放った。

 4度の守備機会も無難にこなす姿に「守りは申し分ない。打撃もシーズン中盤から良くなった。試合を経験したことで実力をつけている。この大会は小園と入れ替わって遊撃手としても出場する可能性はある。安定感でいえば門脇が一歩リードしている」と新井氏は言う。

 今年のWBCでは不動の遊撃手として西武の源田が君臨。次回大会は3年後の2026年になるが「打撃面を含め、このまま順調に成長していけば対抗馬になる」と期待を寄せた。森下に関しても「これまでの侍ジャパンにはいないタイプで面白い存在。あれだけバットを振れる積極性もあり長打も期待できる。2人のルーキーがトップチームに入っていく可能性は十分にある」と口にする。

 今大会はオーバーエイジ枠以外は24歳以下、または入団3年目以内が参加資格。ポテンシャル溢れる若手たちは結果を残しトップチームへの扉を開くことができるか、注目が集まる。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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