打者翻弄「ボールが来ない」 侍24歳左腕を専門家が絶賛…快投を導いた“必殺球”

韓国戦に先発した侍ジャパン・隅田知一郎【写真:荒川祐史】
韓国戦に先発した侍ジャパン・隅田知一郎【写真:荒川祐史】

7回77球7奪三振の“7並び”…野口寿浩氏が西武・隅田を高評価 

 西武・隅田知一郎投手が17日、「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ 2023」(東京ドーム)の韓国戦に先発し、7回3安打無失点の好投で2-1の勝利に貢献した。わずか77球で7三振を奪った投球に、日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は「これが俺のピッチングなんだとアピールできたのでは」と高く評価した。

 侍ジャパンで初登板初先発となった左腕は3回を投げ終えた時点で4三振を奪うなど、1人も出塁を許さない完璧な内容で、野口氏は「チームを勢いづけるには最高の立ち上がり。テンポも良くて相手打線の1巡目は安心してみていられた」と合格点を与えた。140キロ台後半の直球と120キロ台前半のチェンジアップのコンビネーションに、相手打者のバットは空を切る。「腕の振りに反比例するかのように、なかなかボールが来ない。そして低めのボールゾーンにスーッと沈んでいく。バッターは手が出ちゃいますよ。緩急がいい」と分析した。

 野口氏がさらに注目したのは、スプリットも大きな武器になるという点だ。チェンジアップより10キロほど速く「落ちる球が2つあるとキャッチャーは楽だと思います。仮にどちらかが悪くても、もう一方で組み立てることができる」と配球のイメージを膨らませた。

 あえて注文をつけたのは「右打者の内角を突く、いわゆるクロスファイヤーが少なかったかな」という点と一塁手への打球に対するベースカバーが遅かったこと。特に守備の動きに関しては、カバーが遅れて内野安打となった場面もあり、「命取りの“ミス”となる可能性もある」としたが、降板するまで致命的な一打を浴びることはなく、堂々の侍デビューだった。

 隅田といえばルーキーイヤーの2022年にパ・リーグの新人記録となる10連敗を喫するなど苦い経験も味わった。野口氏は「だからこそ精神面が鍛えられた部分もあったのでは」と、この日の大舞台での好投との関連性も指摘した。

 今回の侍ジャパンには隅田の球質をよく知るチームメートの古賀がいたが、広島・坂倉と組んで結果を残した。野口氏は「隅田投手が将来、侍ジャパンでポジションをつかむことを考えると良かったと思う。坂倉選手も隅田投手の良さを引き出していた」と総括。若き侍バッテリーの奮闘に目を細めた。

【動画】打者翻弄の超絶落差は「バケモンクラス」 侍J・隅田の「えぐい」魔球

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