打率.052で2軍落ち…屈辱の2か月半経て.302に急上昇 挫折が生んだ“エリート”の覚醒

侍ジャパンに選出された広島・小園海斗【写真:荒川祐史】
侍ジャパンに選出された広島・小園海斗【写真:荒川祐史】

広島・小園海斗はアジチャンで全4試合にフル出場…打率.417をマーク

 広島の23歳、小園海斗内野手が「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ 2023」で躍動し、侍ジャパンの優勝に貢献した。全4試合に遊撃でフル出場して打率.412(17打数7安打)をマークした。今季は苦難からのスタート。波乱万丈の5年目だった。

 ヤクルトとの開幕戦は「1番・遊撃」で出場も無安打。以降も快音は響かず、開幕5戦目で早くもスタメンを外れた。

 初安打は16打席目(4月16日ヤクルト戦)で飛び出したが、以降も状態は上がらず、4月21日に登録抹消となった。この時点での成績は打率.053(19打数1安打)だった。

 1軍に戻って来たのは7月4日。約2か月半も2軍で泥にまみれた。報徳学園では2年からU-18日本代表に選ばれ、2018年ドラフトでは4球団が競合した逸材は3年目の2021年にレギュラーを獲得。更なる飛躍が期待された5年目は早々に“壁”にぶち当たったが、それを乗り越えた。

 1軍復帰以降は主に1番や3番を任され、70試合で打率.302(271打数82安打)、6本塁打、8盗塁をマーク。チームの2位躍進に貢献した。セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、ストレートに対する得点貢献「wFA」は今季初めてプラスに転じて「3.1」。進化の跡がうかがえる。

 そして今回、初めて侍ジャパントップチームに選出され、3試合で2番、1試合で3番を任されて全試合で安打を放った。挫折を経て、西武・源田壮亮内野手に続く、侍の次期正遊撃手候補に名乗りを上げた23歳。更なる飛躍が期待される。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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