FA移籍も「-4.9」の大幅下落 期待“裏切る”悲劇…加入初年度の少ない成功例

元巨人・野上亮磨、元阪神・糸井嘉男、元巨人・山口俊(左から)【写真:荒川祐史、小林靖】
元巨人・野上亮磨、元阪神・糸井嘉男、元巨人・山口俊(左から)【写真:荒川祐史、小林靖】

2014年以降にFAで移籍した選手の1年目を検証

 2023年もシーズンが終わり、各球団来季に向けた戦力整備もスタートしている。FA戦線では、広島の西川龍馬外野手のオリックス移籍が決定。ほかにもオリックス・山崎福也投手らの去就に注目が集まっている。

 セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)を用い、移籍した選手のWARを調査した。データを算出している2014年以降、FAで移籍した32選手で、移籍前よりWARが向上したのは9人だけだった。

 2014年オフに日本ハムからヤクルトに移籍した大引啓次内野手は、2015年は怪我もあって96試合と出場数を落とし、WARを2.4から0.0に下げた。同年ロッテから移籍した成瀬善久投手は初年度に3勝8敗、防御率4.76の成績で、前年の1.1から0.2に下がった。

 2016年オフに日本ハムから巨人に移籍した陽岱鋼外野手は、出場試合数こそ130試合から87試合に下がったものの、守備面での貢献が大きかったため前年のWAR2.4から3.3に数字を上げた。しかし翌2018年以降はWARが徐々に減少した。同年の山口俊投手は、移籍1年目に4試合しか登板できず、WARは4.5から-0.3に大きく下落した。しかし翌年以降は巻き返し、2018年に3.2、最多勝を獲得した2019年は6.6と高数値だった。

 他には2016年オフにオリックスから阪神に移籍した糸井嘉男外野手は4.1から2.4に減少。同年に西武から楽天に移籍した岸孝之投手は3.7から5.7に上げた。2017年オフに西武から巨人入りした野上亮磨投手は、前年11勝を挙げてWAR5.2だったが、巨人1年目は4勝4敗で0.3。今回の計測の中では1番の下がり幅だった。

 今季は、ソフトバンクに移籍した近藤健介外野手が前年の4.0から8.3、オリックスに加入した森友哉捕手が3.7から5.0に向上させており、新天地で大きな期待に応える活躍を見せた。

【表】期待“裏切る”大幅下落の選手も…2014年以降、FA移籍1年目のWAR一覧

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