4人で47敗…中日が生んだ悲劇 投手陣絶望の「2.73」、必然だった“10敗カルテット”

中日・柳裕也(左)と小笠原慎之介【写真:荒川祐史】
中日・柳裕也(左)と小笠原慎之介【写真:荒川祐史】

中日は小笠原、柳、高橋宏、涌井が10敗以上…チーム援護率は12球団最下位の「2.73」

 中日の小笠原慎之介投手は23日、契約更改交渉を行ったが、サインせずに保留した。今季は開幕投手を務めたものの、7勝12敗、防御率3.59と負け越した。中日は今季、防御率はリーグ2位の3.08ながら、4投手が10敗以上を喫するなど、異常な事態となっている。

 今季の中日はリーグ最多の3人が規定投球回を超えた。小笠原は160回2/3、柳裕也投手が158回1/3、 高橋宏斗投手が146回とイニング数を稼いだが、柳、高橋宏ともに11敗と勝ち星に恵まれなかった。規定投球回を超えて10敗以上したのは、中日の3投手のみ。また、涌井秀章投手も5勝13敗と大きく負け越した。

 セイバーメトリクスの指標を用いてプロ野球のデータ分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)の指標によると、1イニング当たりの与四球+被安打を示す「WHIP」は、柳が1.09、小笠原が1.21、高橋宏が1.23、涌井が1.32となっている。リーグ平均が1.21ということを考えると、涌井以外は試合を作れていると言える。

 6回3自責点以内で記録されるクオリティスタート(QS)も柳と高橋宏が17回、小笠原が15回、涌井が11回記録している。一方、9回あたりの援護率を示すRS/9は2.73。12球団で唯一の2点台と“無援護”に苦しんだ。個別に見ても、90イニング以上を投げた投手では、柳がリーグワースト2位の2.10、高橋宏が同4位の2.59、小笠原が同6位の3.02、涌井も同11位の3.24となっている。

 中日は今季、チーム打率.234、71本塁打、390得点はいずれもリーグワースト。補強か、それとも現有戦力の底上げか……。2年連続の最下位から脱出するには、貧打解消が急務となっている。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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