12球団最低「.220」はツイていなかった? なぜか安打にならず…不運がもたらした悲劇

ロッテ・中村奨吾【写真:小林靖】
ロッテ・中村奨吾【写真:小林靖】

ロッテ・中村奨は今季、12球団最低の打率.220に終わった

 ロッテの主将・中村奨吾内野手は今季、規定打席に到達した選手の中では12球団最低の打率.220に終わった。オリックスとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでは、スタメンを外れることも。悔しい1年となったが、データ上では、運のなさも影響しているようにも思えた。

 今季、中村奨は4月に通算1000試合を達成したが、出塁率.299はリーグワースト。2年連続で全試合出場も逃し、併殺打もリーグワーストの20を記録した。今回は、客観的数値でプロ野球の分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)の指標をもとに、中村奨の不振の原因を探ってみた。

 今回用いたデータは「本塁打を除くグラウンド内に飛んだ打球が安打になった割合」を示す「BABIP」。フェアグラウンドに飛んだ打球が安打になるかどうかには“運”の要素が大きく絡むとされ、全選手の平均値は.300前後に収束するとされている。今年、中村奨のBABIPは規定打席に到達した選手の中では最低の.245だった。

「BABIP」は打者の場合は走力のある、なしによって、高低は出るとされている。しかし、今季、盗塁こそ自己ワーストの3に終わったものの、盗塁以外の走塁での得点貢献「UBR」はリーグ2位の4.8。走塁能力が落ちたとは言い難い。

 昨季の5位から2位と順位を上げたものの、オリックスに3連覇を許したロッテ。中村奨自身も悔しい思いをしただろう。今年苦しんだ分、来年は“運”も味方につけたいところだ。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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