上林誠知は中日で復活できる? トップ級「13.7」発揮なら…覚醒25歳と“双璧”に

中日入団が決まった上林誠知(写真はソフトバンク時代)【写真:荒川祐史】
中日入団が決まった上林誠知(写真はソフトバンク時代)【写真:荒川祐史】

今季は56試合の出場で打率.185で戦力外も「自信ちょっとあります」

 ソフトバンクを今季限りで戦力外となった上林誠知外野手は、中日入りすることが決まった。今季は56試合の出場で打率.185、0本塁打、9打点に終わっていたが、まだ28歳。右翼が“弱点”の中日で復活する可能性は十分ありそうだ。

 2013年ドラフト4位で仙台育英高から入団した上林は、2017年に134試合に出場して打率.260、13本塁打。翌2018年には全143試合に出場して打率.270、22本塁打、62打点、リーグ最多の三塁打14本を記録するなど“5ツール・プレーヤー”として期待された。しかしその後は故障もあって出場機会を減らしていた。

 セイバーメトリクスの指標を駆使して分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを見てみると、2018年の上林は軒並み高データだった。守備全般での貢献度を示す「UZR」は13.7で、全球団の右翼手でトップ。同じ打席数をリーグの平均的な打者が打つ場合に比べてどれだけチームの得点を増減させたかを示す「wRAA」は11.1で、12球団の右翼手の中で7番目の高さだった。

 そこで今季の12球団の数値を見てみると、「UZR」で中日の右翼手は12球団ワーストの-13.2と低迷している。一方で、今季の中日の右翼手は現役ドラフトで加入して24本塁打と覚醒した25歳の細川成也が最多の107試合に先発出場していただけに、「wRAA」は11.8で5位と健闘した。ほかには、主に中堅を守った岡林勇希が20試合、アキーノと川越誠司が6試合、鵜飼航丞と後藤駿太が2試合に先発出場した。

 全盛期レベルの打撃力、守備力を発揮できればだが、定位置を奪う可能性、さらには復活を果たす可能性もあるだろう。戦力外通告を受けた際には「自信はちょっとあります」を話していた上林。プロ11年目で飛び込む新天地での活躍に期待したい。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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