大谷翔平は「野球というスポーツを変えた」 MLBが「すでに殿堂入り」を確信する理由

エンゼルスからFAとなった大谷翔平【写真:ロイター】
エンゼルスからFAとなった大谷翔平【写真:ロイター】

「2021年から2023年までのパフォーマンスとスポーツ全体への大きな影響」

 エンゼルスをFAとなった大谷翔平投手は、2年ぶり2度目のMVPを満票で受賞した。今オフはメジャー史上最高額となる5億ドル(約734億円)を超える大型契約を結ぶ可能性が期待されている二刀流について、MLB公式は「すでに殿堂入り選手である理由」として、その偉大さを称えた。

 大谷は今秋受けた右肘手術の影響で来季は野手一本となり、投手復帰は2025年が見込まれる。そのため「もし新契約の大半で不調になったり、故障者リストで過ごすことになったら? 肘の怪我でもう投げることができなかったら? 打撃面で平均的な成績しか残せなかったら? 新契約がとんでもない大失敗に終わったら?」という懸念はある。

 過去にも同様の例はあったが「(そうなっても)野球界のユニコーンとしてのオオタニのレガシーは永遠に汚されるだろうか? 一言でいうと『ノー』だ。オオタニはすでに殿堂入りを果たすのに十分な結果を残しているから」とMLB公式はこれまでの躍動を評価する。

「たった3シーズン(MVP2回と2位が1回)しかエリート級のシーズンを経験していない選手について、将来殿堂入りするだろうとは普通は言わない。しかし2021年から2023年までのオオタニのパフォーマンスとスポーツ全体への大きな影響を考えれば、彼は殿堂入りにふさわしい選手だ」

今年のドラフトでは20巡目までに8人もの二刀流選手が指名された

 大谷は2021年以降、3年連続で9.0以上のWARを記録。「ベースボール・リファレンス」によれば、これはベーブ・ルース、ボブ・ギブソン、レフティ・グローブ、ミッキー・マントル、ロジャース・ホーンスビー、ウィリー・メイズ、バリー・ボンズだけで、ボンズ以外は全員殿堂入りを果たしている。「オオタニにどんな未来が待ち受けていようとも、我々がこれまで見てきたオオタニのパフォーマンスは間違いなく並外れたものである」と言い切る理由だ。

 また「オオタニはその素晴らしいパフォーマンスだけでなく、野球というスポーツのあり方を変えた特別な存在である」というのも大きな要素だ。野球殿堂には、各世代に多大な影響を与えた人物の物語にスポットを当てることで、野球の歴史を語り継ごうとする役目がある。成績という点では実績はないが、キャンディ・カミングスは、カーブボールを発明したという理由で殿堂入りしている前例もある。

 二刀流の大谷によって変わったルールがあり、今年のドラフトでは20巡目までに8人もの二刀流選手が指名された。また「オオタニは太平洋にかかる野球界の橋を強化した」として、イチローのときと同じくメジャー球団が日本からの才能をより積極的にスカウトするようになったと記事は言及している。

 これらのことからも「彼は我々が目撃した最高の選手の1人であるだけでなく、最も重要な選手の1人でもある。21世紀の野球の物語はオオタニ抜きでは完成しない。だからこそ彼はすでに殿堂入りする選手だと言えるのだ」と大谷の存在の大きさを強調した。

(Full-Count編集部)

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