大谷翔平の進化示す「.253→.402」 もはや死角なし…“最強打者”になれた5つの要因
打球速度キャリアハイのシーズン平均約152キロはMLB上位1%に入る
エンゼルスからFAとなった大谷翔平投手は、年間で最も活躍した指名打者に贈られる「エドガー・マルティネス賞」を3年連続で受賞した。今季はア・リーグ本塁打王に輝き、打撃のベストナインに相当するシルバー・スラッガー賞(ア・リーグDH部門)を2年ぶりに獲得するなど“受賞ラッシュ”が続くが、MLB公式サイトは打者・大谷が成長した5つの要因を分析した。
同サイトのサイトのデータ解析システム「スタットキャスト」を担当するデービッド・アドラー記者は「オオタニが初めてメジャーでプレーしてから、唯一無二のスーパースターであり続けている。でもルーキーの頃と同じではない。さらに成長し向上したことによって、今年MLB初となる2度目の満票MVPという最高潮に達した」と成長曲線を称賛する。
1つ目は「球界で最高の速球打ちの1人になった」。これが「最も劇的に改善したこと」であり「現代のメジャーでは、投手が速球で打者を支配する場合、速球はフォーシーム、スピードがあるボール、高めの速球のおおよそ3タイプに分けることができる。今やオオタニは全3タイプに対して、球界最高の打者の1人になった」とした。フォーシームに対しては、2021年が打率.253、2022年が.305、2023年が.402、高めの速球に対しては、2021年が打率.222、2022年が.314、2023年が.385と着実に対応していることがわかる。
2つ目は「コンタクト能力をキャリアベストに改善されたこと」。打撃の総合的なパフォーマンスを測る予測打率「xBA」が2021年.266、2022年.275、2023年.294と毎年数値を上げている。「打率.300(以上の)シーズンは、たまたまではなかったことが証明されただろう。いつか(首位打者の)タイトルを狙う時が来るかもしれない」と期待した。
3つ目は「これまでと比べて、かつてないほど強く打球を打った」。打球速度はキャリアハイとなるシーズン平均94.4マイル(約151.9マイル)で、これはMLB全体で上位1%に入る数値。昨年までの平均打球速度92.8マイル(約149.3キロ)から大きく飛躍した。
4つ目は「(強みを)融合してベストを完成させた」。大谷の本塁打が2018年はほとんどが左中間で、対照的に2021年は引っ張るようになった。その上で今季は「(2018年と2021年を合わせた)最高のオオタニを見せてくれた。引っ張っることも、左中間にも(打球を)粉砕する本塁打を放った。新人王オオタニと(2021年)MVPオオタニのバランスを見つけた」。今季は44本中、引っ張ったものが18本、右中間から左中間に放ったものが21本塁打だった。
5つ目は「相手投手にスイーパーを投げることを止めさせた」。球界の流行となっていたスイーパーを4月に25球、5月に22球投げられたが粉砕。打率.333、長打率.833をマークしたことで、6月は6球、7月は4球、8月は6球と減少した。一線級を走りながらも、大谷はなお進化を遂げている。
(Full-Count編集部)