GMに“反論”「打てないと思われてる」 41歳のHR王へ…むき出しにしたプライド

契約更改交渉に臨んだ西武・中村剛也【写真:湯浅大】
契約更改交渉に臨んだ西武・中村剛也【写真:湯浅大】

チーム最多17本塁打も出場88試合止まりで5000万円減「まだまだ稼げるように頑張ります」

 西武・中村剛也内野手が2日、埼玉・所沢市の球団事務所で契約更改交渉に臨んだ。5000万円減の来季年俸1億5000万円(年俸は推定)でサインした。今季は88試合の出場で打率.258、チーム最多の17本塁打、同3位の40打点を挙げてのダウン更改となったが「そりゃ下がるでしょ。80何試合しか出ていないですから」とあっさりと話した。

 会見では減俸選手とは思えぬ穏やかな“おかわり節”が全開だった。今年8月に不惑の40歳を迎えたことに触れられると「何なんすか不惑って。40歳迎えると不惑って言われるんですか? 世間一般的にも? へー。初めて知りました。ふふふ」と笑った。さらに40歳代でも1億円プレーヤーであることに「ぼちぼち稼がせてもらったので。いっぱいでないけど、ぼちぼちですけど。まだまだ稼げるように頑張ります」。2010年シーズンから来季で15年連続で年俸1億円以上ながら、まだまだ高みを目指す意気込みを示した。

 このオフの過ごし方に関しては「子ども(長男、次男)の野球中心に今は過ごさせていただいてます。だから土曜日の契約更改はちょっと本当は……今から急いで帰ります」。中村の更改が行われたのは12月2日の土曜日。子ども達の野球応援がある週末の行事に苦笑した。

現役最多通算471本塁打で目指す500号「自分の中では来年30本打つつもり」

 終始、和やかな会見だったが、6度の本塁打王など現役最多471本塁打の中村が、長距離砲としての矜持を示すシーンもあった。残り29本となった通算500号に向け、渡辺GMから「来年20本打って、次の年9本」と冗談混じりに言われた際には「自分の中では来年30本打つつもり」と“反論”したことを明かす。「30本打てねぇだろと思われているんでしょうけど」とプライドをむき出しにした。

 来季30発を目標に設定するわけではない。「いっぱい打ちたい。その結果、それくらい打てればというのがある」。コンディションさえ崩さなければ、2024年シーズンでのプロ野球史上9人目となる大台到達も十分に圏内。2015年以来となる本塁打キングにも「もちろん。まだ現役でやっていますので」と言い切った。

「僕自身が本当に優勝したい。いい成績を残したい。そう思ってずっとやっているので、優勝できたらファンのみなさんもすごく喜んでくれる。来年こそ、そういう1年にしたいと思います」。2022年から今季までの2年契約を結んでいたが、来季は単年契約になるという。「(球団側は)複数年とは言ってこないでしょ。不惑ですよ!」。覚えたての言葉で、また笑わせた。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY