朗希&由伸超え…オリ25歳が12球団トップの「.140」 ほぼ2球種で異次元の領域に

宇田川優希【写真:矢口亨】
宇田川優希【写真:矢口亨】

オリックスの宇田川優希は12球団トップの被打率.140を記録

 オリックスの宇田川優希投手は今季、46試合に登板し、4勝0敗、2セーブ20ホールド、防御率1.77の好成績を残した。支配下登録からわずか8か月でWBC出場。スターの階段を上った25歳は指標で見ても、屈指の実力を誇っていた。

 宇田川は2020年の育成ドラフト3位で仙台大から入団した。昨年7月に支配下登録されると、19試合で防御率0.81。オフには野球日本代表「侍ジャパン」に大抜擢され、WBCでは2試合(1回1/3)で防御率0.00の好成績を残した。今季は4月に1軍登録を抹消されたが、最終的には勝ちパターンの一角を担い、リーグ3連覇に貢献した。

 セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、今季の被打率は.140。これは40イニング以上投げた投手の中では12球団トップの数字。ロッテ・佐々木朗希投手(.160)、オリックス・山本由伸投手(.198)らを上回った。

 今季の宇田川の投球割合は直球が57.9%でフォークが40.1%、残りの2.0%をスライダーが占める。ほぼ2球種だけで打者を抑えていた。各球種で失点をどれだけ抑えたかを示す指標では直球のwFAが7.1、スライダーのwSLが0.1、フォークのwSFが3.3といずれもプラス指標だった。

 来季は背番号「14」で再出発する。山崎福也投手が国内FAで日本ハムに移籍し、山本由伸投手もポスティングシステムによるメジャー移籍が濃厚。4連覇へ抜けた先発投手の穴を埋める活躍に期待したい。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY